■とい
屋根を流れる雨水を受けて地上に流す装置。軒に渡すものを軒どい、軒どいの水を垂直に流すものを立てどい、2階の立てどいの下から1階屋根まで流すものをはいどい、屋根の谷の部分に取り付けるものを谷どいという。材料には、銅板、亜鉛鉄板、塩化ビニルなどがある。
■動作空間
人体寸法に身体や手足の動きを加えた領域(作業域)に、道具や家具の寸法を加えて、人間の動作に必要な領域を示したもの。
■胴差し(どうさし)
木造の建物の上下の階の境の床ばりの位置で通し柱と通し柱の間に設けて、柱の連結、はり受け、管柱受け、間柱受けとなる部材。
■動線計画
人やモノの動く流れを平面図の上に線で表したものを「動線」という。この動線をもとにして各居室、各施設の配置や廊下の幅員などを決めるのが動線計画。利用する頻度の高い動線はできるだけ短くする、不特定多数の人が利用する建物では利用する人が混乱したり、動線が不必要に交わったりしないようにする、モノと人、外部の人と内部の人の動線は分離する、などの点を配慮しながら計画する。特に店舗においては客、店員、商品の3つの動線が交差しないように注意する。
■等分布荷重(とうぶんぷかじゅう)
部材の長さに沿って連続的に作用する荷重で、均一な大きさで分布する荷重。
■等辺分布荷重(とうへんぶんぷかじゅう)
部材の長さに沿って連続的に作用する荷重で、直線的に変化する荷重。
■道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)
道路に沿った町並みの整備、道路の天空・通風の確保、道路に接する建築物の採光・通風の確保などを目的とした建築物の高さに関する制限。通常、建築物から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、法律に定める数値を乗じて得た高さを限度とする。ただし、建築物が前面道路の境界線から後退(セットバック)している場合、前面道路が2以上ある場合、前面道路の反対側に公園等がある場合、敷地の地盤面が1m以上高い場合、住居系用途地域内で前面道路の幅員が12m以上ある場合などは、制限が緩和される。
■道路内の建築制限
建築物は、原則として、道路内に突き出して建築してはならない。敷地を造成するための擁壁の場合も同じ。
■道路の位置指定
都市計画法によらずに、新たに私道を築造する場合、特定行政庁から、道路の位置の指定を受けないと、建築基準法上の道路とはみなされない。指定を受けるためには、道路に接続している、隅切りを設けるなどの条件が必要となる。
■道路の定義
建築基準法上、道路とされるものは次のとおり。
・幅員が4m以上のもの:道路法による道路、都市計画法による道路、既存道路、計画道路、道路位置指定による道路。
・幅員が4m未満のもの:建築基準法第3章の規定が施行された時すでに建築物が立ち並んでいた道で、特定行政庁が指定したもの。なお、都市計画区域外のもの、高速道路のように一般交通の用途に供しないものは建築基準法上の道路にはあたらない。
■道路法による道路
幅員が4m以上の国道、都道府県道、市町村道などの公道。
■通し柱(とおしばしら)
2階建て以上の建物で、上下階を通して配置されている柱。建物の隅の柱、またはこれに準ずる柱に用いられる。通し柱は、2階建て以上の建物の上下階を一体化し、風や地震などに対する耐力をもたせる。
■トーチ法
改質アスファルトルーフィングをトーチバーナーを用いて溶融し、シート一層または二層張りつける工法。
■特殊建築物(とくしゅけんちくぶつ)
特殊な用途の建築物。具体的には、学校、病院、百貨店・公衆浴場、共同住宅・寄宿舎など、多人数が集まる建築物、危険物を取り扱う建築物、臭気を発する建築物のこと。法律の条文によって範囲が異なる。
■特定街区(とくていがいく)
市街地の整備・改善を図るため、街区の整備または造成が行われる地区について、建築物の容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限を都市計画で定める街区。
都市計画法60条による。
■特定行政庁(とくていぎょうせいちょう)
建築主事を置く地方公共団体の長。建築主事を置く市町村の区域については市町村の長のことをいい、その他の市町村で、建築主事の行政事務が建築基準法の一部に限定される場合には、その限定部分については特別区の長や市町村長、その他については都道府県知事が特定行政庁とみなされる。
■特定行政庁による指定を受けた道路
新たに都市計画区域に指定された際に、すでに建築物が並んでいた道で、特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路とみなされる。いわゆる法42条2項道路、法42条3項道路。
■特定防火設備(とくていぼうかせつび)
防火区画の開口部にもうけなければならない防火戸。通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火災を出さないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または国土交通大臣の認定を受けたものであること。
■特別避難階段(とくべつひなんかいだん)
室内と階段が、バルコニーまたは外気に向かって開くことのできる付室を通じて連絡できるようにした避難階段のこと。
■特別用途地区(とくべつようとちく)
用途地域内で特別な目的をもった土地利用の促進や地域環境の保護を図るために、用途地域指定を補完する形で指定される地区。指定は都道府県知事が行い、制限や禁止に関しての規定は地方公共団体の条例で定める。次のような種類がある。研究開発地区、小売店舗地区、事務所地区、厚生地区、娯楽・レクリエーション地区、観光地区、特別業務地区。
■溶込み
母材の溶けた部分の最頂点と溶接すつ面の表面との距離。
■土工事(どこうじ)
敷地造成や地下構築のための掘削や、木造建築の基礎を構築するための掘削などの工事。具体的には、土砂の切取り、敷きならし、搬出、埋め戻し、根切り、、盛り土などと、それに伴う山止めの作業など。
■都市計画
都市計画法に規定する計画で、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備および市街地開発事業に関する計画。都市計画地方審議会の審議を経て、原則として地方公共団体がこれを定める。
■都市計画区域
都市計画法に規定する区域で、都道府県知事が自然的・社会的条件、土地利用などを勘案し、一体の都市として総合的に整備・開発および保全する必要があるとして指定する区域。
■都市計画区域外(としけいかくくいきがい)
都市計画法に規定する都市計画区域以外の区域。通常は集団規定としての建築規制の対象外であるが、都道府県知事が指定する区域においては、接道義務、建ぺい率、容積率など、その他の建築物の敷地または構造に関して必要な建築規制を条例で定めることができる。
■都市計画法
農林水産業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活および機能的な都市活動の確保ならびにそのための適正な制限による土地の合理的な利用を図るために制定された法律。都市計画の内容、都市計画の決定、開発行為の規制などが規定されている。
■塗装(とそう)
建築物の表面などに塗料を塗ること。防湿・防水・さび止めなど素地を保護することを目的とするものと、建築物の美観を目的とする意匠(デザイン)的なものとがある。気温5℃以下、湿度80%以上のときは塗料がほとんど乾燥しない。塗装方法としては、はけ塗、吹付塗、ローラー塗がある。
■土台
木造の柱の下部に設ける部材。構造耐力上主要な部分である、柱の下には必ずもうけなければならないが、柱を基礎に緊結した場合等は不要。土台は、コンクリート造の布基礎にアンカーボルトなどで緊結するのが一般的。
■土地区画整理法(とちくかくせいりほう)
土地区画整理事業に関し、その施行者、施行方法、費用の負担等必要な事項を規定することにより、健全な市街地の造成を図ることを目的として制定された法律。
■塗膜防水層(とまくぼうすいそう)
塗装によって塗膜を形成することで作る防水層。ウレタンゴム系、クロロプレン系・クロロスルフォン化ポリエチレン系、ゴムアスファルト系などの種類がある。
■ドライエリア
地階の外壁の周囲を掘り下げた空間。空掘。地階の採光や換気のために設ける。
■トラス
すべての節点がピン節点となる、直線の部材で構成された安定的な骨組みのこと。3本の直線材で組み立てられた三角形要素の集合として、外力に対する抵抗を大きくする。大スパンを必要とする工場、体育館や鉄塔、橋などに多く用いられる。部材の数と接合部は多くなるが、部材の全体量は少なく経済的な構造である。
■トラスの応力
トラス構造に生じる応力。各部材には、曲げモーメントやせん断力は生じず、軸方向力のみ生じる。
■トラスの節点
トラスの応力を求めるときは、計算を間単にするために、節点は完全なピンであり、外力はすべて節点に作用する集中荷重であると仮定する。
■トラッククレーン
タイヤによる自走式のクレーン。
■トラップ
排水管の一部に常に水が滞留する部分(封水)をつくり、それによって排水管内の有害ガス、臭気、小虫などが室内に侵入するのを防ぐ装備。管トラップ、ベルトラップ、ドラムトラップ、グリーストラップなどの種類がある。
■トランシット
測量に用いられる、望遠鏡、分度盤、水準器を備えた側角測量機。主として、水平角、縦角を正確に測定する。
■トランシット測量
敷地測量の方法。トランシットの水平目盛盤による水平角、垂直目盛盤による鉛直角の測定を行い、視距離によって高低および距離の測定を行う方法。測量にはトランシット、ポール、鋼巻尺、測量ピン、下げ振り、三脚などを用いる。
■塗料(とりょう)
塗装材料。塗膜形成要素と塗膜形成助要素となからなり、塗膜形成要素はさらに顔料、塗膜主要素、塗膜副要素とに分けられる。種類としては、油性ペイント、水性ペイント、ワニス、油ワニス、ラッカー、合成樹脂系塗料などに分類される。
■トルクレンチ
レンチはボルトを締め付ける器具。トルクは回転力。トルクレンチは、ボルトの締め付けトルク値が測定できるレンチ。高力ボルトの締め付けと締め付け検査に用いる。
■ドレーン管
空気調和設備に設置される管。空調器内の結露水を排水する管で、ビニル管や白ガス管を用いる。
■トレミー管
水中コンクリートの打設に用いられる、上端に濾斗(ろうと)状の受け口をもつ水密性のある管。
■トレンチカット工法
山止め工法の1つ。地下構築物の外周部を先に掘削して構築物を築造し、これに外部の土圧を支持させてから中央部の根切りを行い、地下中央部の残りの部分を構築していく工法。軟弱地盤の地下部分の施工には安全度が高いという利点がある。
■ドレンチャー
消化設備の1つ、外部からの延焼を防ぐための水幕をつくる装置。軒先用、窓掛用があり、手動によって放水する。重要文化財などに設置される。
■ドロップハンマー
くい打ち機械の1つで、ウインチでおもり(モンケン)を引き上げ、自然落下させて打ち込む。
■ドロマイトプラスター
左官工事の材料で、プラスターの1つ。マグネシウム分を含んだ石灰と水を主原料とする。混和材料に砂、すさ、顔料を使用する。粘性が大きく塗りやすく、安価なのでよく使われるが、硬化が遅く、乾燥時に収縮が大きくひび割れが生じやすいので、石こうプラスターと混ぜて使用される。
■等価可燃物量
可燃物発熱量が等価な木材の重量に換算した可燃物量のこと。
■等価騒レベル
A特性騒音計の測定値をエネルギー(聴感補正された音)に換算し、観測時間における平均値を求めて、それをレベルで表示したものであり、交通騒音のように時間とともに変動する騒音の評価に用いられる。
■等価損失TL
壁体等の遮音の程度を示すもので、入射音と透過音の音圧レベル差で表す。透過損失が大きいほど遮音性能がよい。
■胴差
木構造の軸組みにおいて2階以上の床の位置で柱を相互に繋いでいる横架材。
■塔状比
耐震計算ルートにおいて、計算しようとする方向における架構の幅に対する高さの比のこと。
■透水係数
土中の水の流れやすさを表す。粒度の大きいほうが間隙も大きくなり、抵抗が少なく水が流れやすいので、透水係数も大きくなる。
■胴縁
壁の下地材で、板状の仕上げ材などを取り付けるための横桟。
■トーチ工法
防水工法の一種。表面に厚いアスファルト層を付けたルーフィングをトーリ状プロパンバーナーで加熱し、表層を溶融して下地に接着しルーフィング間を接合する。
■特殊建築物
法第2条第二号に列挙されている用途。学校(専修学校及び各種学校を含む)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と蓄場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物。
■特定行政庁
建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。
■特定建設資材
@コンクリート
Aコンクリート及び鉄から成る建設資材
B木材
Cアスファルト・コンクリート
■特定防火設備
令第109条に規定する防火設備であって、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
■特定元方事業者
労働安全衛生法上、元方事業者で、建設業および造船業(特定事業という。)に属する事業を行う者。
■特別養護老人ホーム
常時介護が必要で在宅介護を受けることが困難な高齢者が、入浴や食事等の介護、医師による健康管理や療養上の指導等を受ける施設。
■床付け
根切りの深さが定められた位置まで達すること。または根切り底の面を平らにすること。
■吐水口空間
逆流による上水の汚染防止を目的として設けられる空間である。給水栓または給水管の吐水口先端と容器のあふれ縁との間の垂直距離をいう。吐水口径の有効断面の直径の2〜3倍以上の吐水口空間を設ける。
■トラップ
下水管からの臭気やガスが室内へ侵入するのを防ぐため排水管の一部に常時水(封水)を溜めるようにした装置である。
■トラバース
平板またはトランシットを用いた骨組み測量をトラバース測量といい、基準点から各測点を結び測線によってつくられる図形をトラバースという。
■トランシット
水平角、鉛直角とを測定するための機械。
■トランジットモール
一般の自動車の進入を制限し、路面電車やバスなどの公共交通機関と歩行者が通行できる歩行者優先の街路。ダウンタウンの空洞化に対する活性化策として、アメリカで導入されたのが最初である。
■トレミー管
水中コンクリートや連続地中壁コンクリートの打設に用いる輸送管で、上端に漏斗状の受け口をもつ水密性のある管。