■ディーゼルハンマー
くい打ち機械。ディーゼル機関を利用して、ピストンの落下衝撃と爆発力によってくい打ち込む機械。
■鉄筋
コンクリートとともに鉄筋コンクリート構造の主体となる材料。普通鉄筋、異形鉄筋、ピアノ線などの種類がある。
■鉄筋工事
鉄筋コンクリート工事の鉄筋に関する工事。鉄筋の加工と鉄筋の組み立ての2つの作業に大別できる。工程は、施行図の作成、材料の搬入・貯蔵、材料の検査・試験、加工、組立て・配筋、配筋検査の順に行われる。
■鉄筋コンクリート構造
鉄筋とコンクリートの合成構造のことで、RC構造ともいう。圧縮力に強く引張力に弱い性質をもつコンクリートを、引張力に強い性質をもつ鉄筋で補強した構造。コンクリートはアルカリ性であるため、鉄筋がさびない。また、鉄とコンクリートは熱膨張率は近似している。こうした理由により、鉄筋コンクリート構造は、耐火・耐久的な構造であるとともに、構造体が一体に施工されるため耐震的にも優れた構造であり、また、自由な造形が可能である。一方、重量が大きいために地震などの際の荷重が大きい、設計・施工が十分でないと、脆性破壊が生じやすい、乾燥収縮やアルカリ骨材反応によるひび割れが生じる等の欠点もある。
■鉄筋コンクリート構造の配筋
鉄筋コンクリート構造の鉄筋の組立のこと。はり、柱、床スラブ、耐震壁、基礎など、各部によって、またそれぞれの構造によって異なる。法令でも、各部ごとに帯筋やあばら筋の間隔などが定められている。
■鉄筋コンクリート造
建築基準法施行令71条〜79条に規定される鉄筋コンクリート構造で作られた構造物。
■鉄筋の加工
加工場で鉄筋に切断、折り曲げ、溶接などを施し、組立のための下ごしらえをすること。鉄筋の定着の際、普通鉄筋には、必ずフックを設けなければならない。
■鉄筋の間隔
鉄筋コンクリート部材における鉄筋相互のあきのこと。隣接する鉄筋表面間の最短距離。コンクリートの骨材の最大粒径の1.25倍以上かつ2.5cm以上、鉄筋の公称直径の1.5倍以上とする。あきが小さいと鉄筋とコンクリートの間の付着力による応力の伝達が不十分になり、コンクリートの打ち込みに際してコンクリートが分離するおそれがある。
■鉄筋の組立
加工済みの鉄筋を設計図や施工図に従って、また型枠工事の工程に合わせて、組み立てること。
■鉄筋の継手
鉄筋を継ぐ部分。原則として応力の大きいところを避け、かつ同一箇所に集中しないようにする。継ぎ方により、重ね継手、ガス圧接継手、機械継手、スリーブ継手などがある。
■鉄筋の定着
鉄筋コンクリート構造において、たとえば柱にはりを取り付ける場合は、はりの鉄筋を柱の中に埋め込んで抜けないようにしなければならない。鉄筋を埋め込むことを定着といい、その長さを定着長さという。
■鉄筋比
鉄筋コンクリートの柱やはりの断面積に対する、そこに使われている鉄筋の断面積の割合のこと。たとえば柱の帯筋の帯筋比は、法令で0.2%以上と定められている。
■鉄骨工事の材料
鉄骨工事に用いる構造用鋼材、高力ボルト、リベット、溶接材料などの鋼材。品質、形状、寸法についてJISに合格したものを使用する。
■鉄骨工事の建方
鉄骨を組み立てる一連の工事。まず柱を基礎のアンカーボルトに建て込み、次いで横架材、筋かいなどの斜材を組み立てていく。ひずみ直しを終えボルトの本締めを行った後、リベット締め、高力ボルト締め、本溶接などの接合作業を行う。接合を終了したら構造体のすべての部分に対して念入りに検査を行い、その後、防錆や仕上げの塗装をする。
■鉄骨構造
鋼材を構造部材に用いる構造。低層から超高層までの多種類の建築に用いられる。
■鉄骨構造の接合
鉄骨構造の鋼材を種々の方法でつなぎあわせること。構造耐力上、主要な部分にはリベット接合、高力ボルト、摩擦接合、溶接接合のいずれかが用いられる。柱同士、はり同士のような同一の部材の接合部を継手、異なる部材同士の接合部を仕口と呼ぶのは、木造の場合と同じ。
■鉄骨造(てっこつぞう)
建築基準法施行令63条〜70条に規定される鉄骨構造で造られた構造物。
■鉄骨鉄筋コンクリート造
建築基準法施行令79条の2〜79条の4に規定される鉄骨鉄筋コンクリート構造の構造物。鉄骨造と鉄筋コンクリート造を組み合わせている。鉄骨造および鉄筋コンクリート造に関する規定が準用される。
■鉄骨の圧縮材の許容応力度
鉄骨の、構造耐力上主要な部分の圧縮材については、座屈の影響を受けるため、許容圧縮応力度が定められている。許容圧縮応力度は、部材の細長比によって変化する。
■鉄骨の圧縮材の有効細長比
鉄骨の、構造耐力上主要な部分の圧縮材の有効細長比は、柱で200以下、柱以外のもので250以下と定められている。
■鉄骨の工場製作
鋼材を建築現場で使用できる状態にするために工場で行う作業。工作図・原寸図の作成、型板・定規取り、ひずみ直し・けがき、加工の手順で行う。加工には切断、曲げ加工、穴あけ、組立ての作業がある。
■鉄線(てっせん)
鉄筋工事の際に鉄筋相互の結束に用いる金属線。通常、直径0.8mm程度のなまし鉄線が使用される。
■鉄網モルタル塗り(てつもうもるたるぬり)
鉄網にモルタルを塗ったもの。壁および床に使用する際に法令で定められた防火性能をもつ防火構造と認められている。
■テラスハウス
集合住宅の一形式で、各戸に庭をもつ低層連続住宅。
■テラゾ
人造大理石。セメントに大理石の粒を混ぜ、水練りして仕上げたもの。固まってから磨くと、大理石仕上げのようになる。あらかじめ板状にして張りつける場合もある。また、大理石以外の石を用いることもある。
■テルミット溶接
テルミット反応の熱で溶接を行う方法で、加圧する方法と加圧しない方法とがある。テルミットとは、金属酸化物とアルミニウム粉末などの混合物である。
■天空光(てんくうこう)
直射光を除いた天空からの光。直射光が大気中で散乱したもの、雲に反射したもの、雲を透過したもの、地面からの反射光が空気中で再反射したものなどを含む。通常、採光計画において昼光という場合は、天空光のことをいう。
■天井仕上(てんじょうしあげ)
天井に施す内装工事。ボード張り、紙張り・布張り、システム天井などの種類がある。
■天井の造作(てんじょうのぞうさく)
壁と天井の境に回り縁をめぐらし、これにさお縁を1方向に渡し、その上に天井板を打ち付ける方法が、伝統的な和室の一般的な天井の形式。
■天井の高さ
建築基準法施行令21条に定められた床面から天井までの高さ。居室では2.1m以上、学校の教室で床面積が50平方メートルを超えるものは3m以上としなければならない。1室で天井の高さが異なる部分がある場合は、その平均の高さによる。平均の高さは、その室の容積を床面積で割って求める。
■天窓(てんまど)
天井に設けられた窓。壁面にある開口部より採光上有利なので、有効採光面積を計算する場合は、実際の面積の3倍の面積を有効採光面積として算定できる。
■定格速度(エレベーター)
積載荷重を作用させて上昇する場合の毎分の最高速度をいう。
■デグリーディ(度日)
その地域の暖冷房負荷を表現するバロメーターで暖房(冷房)期間中の暖房(冷房)用室内設定温度と日平均外気温との差を累積した値をいう。単位は℃・dayまたは度・日である。
■出隅
2つの面が出合ってできる外側に出張った角。反対に内側に入り込んだ角は入隅という。
■手すり
危険防止のために、階段、通路などに設ける高欄、腰壁、側柵。
■電磁シールドルーム
電磁波遮蔽するために金属板や金属網などで壁を覆った室。各種の精密な実験・検査測定が行われる際に、問題となる漏えい電波等の電気的障害を減衰・遮蔽する。
■天井野縁
天井板を取り付けるための下地材。天井裏の桟木で、吊木や野縁受けに取り付けられ、天井を一体にする。