■CFT構造
コンクリート充填鋼管構造と称されているもので、鋼管材にコンクリートを充填することにより柱の耐力剛性ならびに変形性能を期待した合成構造の形式をいう。
■シージングボード
外壁や屋根などの下地に用いる、防水加工を施した板材の総称。
■シート防水層
不透水性の膜を形成するアスファルト防水層の一種で、加硫ゴムシート、非加硫ゴムシート、軟質塩化ビニルシートなどの材料を用いて形成される防水層。主に、接着剤で下地に張り付ける。
■シーリング材
防水性(水密性)や気密性を確保するために、部材間や設備間の小さな隙間に充填する材料。ガン(充填器)を用いて充填する不定形品と、サッシとガラスの間などに差し込む、あらかじめ形の決まった定形品とがある。コーキング材とも呼ばれる。
■寺院建築(じいんけんちく)
仏教の伝来とともに発達した日本の仏教建築のこと。中門、金堂、講堂、塔、回廊などで構成される伽藍配置をもち、時代とともに様式の変化がみられる。
■シェル
フェイスシェルともいう。コンクリートブロックを積んだときに、表裏に露出する部分。横断面で見て、シェルの幅の薄い方を下にして積む。
■市街化区域(しがいかくいき)
都市計画区域の中で、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的に市街化を図るべき区域。
■市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
都市計画区域の中で、市街化を抑制すべき区域として定められた区域。道路や公園など公共施設が整っていない区域での無秩序な市街化が起こるのを抑制する目的で定められる。
■敷居(しきい)
部屋の境の床に設置する横木。建具を受ける場合が多い。耐耗性のある材を用い、木表に戸みぞじゃくりを設ける。これは、木表の方が木裏よりも耐久性が大きいからである。
■敷地(しきち)
1つの建築物、または用途上不可分の関係にある2つ以上の建物のある一団の土地。建蔽率や容積率の算定の基準とする。
■敷地測量(しきちそくりょう)
敷地の面積、形状、寸法、高低差などに関する測量。敷地現状測量図を作成し、設計業務の資料とする。
■敷地の接道長さ(しきちのせつどうながさ)
敷地が道路と接する部分の長さ。建築基準法により、交通の安全、災害時の避難、緊急車両の乗り入れを考慮して、都市計画区域内の建築物の敷地は、道路(自動車専用道路や特定高架道路は除く)に2mの接道義務では不十分な建築物の場合、条例により制限を加えることができる。
■敷地面積(しきちめんせき)
敷地の水平投影面積。なお、幅4m未満の道路と接する場合は、道路の中心線から両側2mは道路とみなされるので、敷地面積には算入しない。
■地業(じぎょう)
建築物の荷重を支持できるように地盤を補強して、基礎を支持するのに必要な耐力を確保する作業。次のような種類がある。
@地はだ地業:堅固な地盤に直接、捨てコンクリートを打ったり、砂利をまいて突き固める。
A砂地業:軟弱地盤に厚い密実な砂層をつくる。
B砂利地業:地盤が比較的よい場合に、砂利を敷いて突き固める。
C割栗地業:やや軟弱な地盤や粘土地盤に割栗石を並べ、すきまに砂利を入れて突き固める。
D捨コンクリート地業:砂・砂利・割栗地業の上にコンクリートを打ち、平らに仕上げる。
E大玉石地業:木造建築物などの軽い荷重を支持するための地業で、つぼ堀を行って砂利地業や割栗地業を施してから、その上に扁平な玉石を据えて、周囲に砂利を充填する。
Fくい打ち地業
■軸組(じくぐみ)
木構造の構造体の壁面部分の骨組。土台、柱、胴差、けた、筋かい、間柱などから構成される。真壁式と大壁式の2つの方式がある。
■軸組の量(じくぐみのりょう)
木造建築物が、地震や風などによる水平力に抵抗するためには、筋かいを入れるなどして丈夫にした軸組をバランスよく配置することが必要である。そのため、軸組の量に関しては、法令上の規定がある。また軸組の量に関しては、軸組に筋かいが入っているかどうかなどの軸組の内容ごとに倍率も定めている。
■仕口(しぐち)
木材を異なる方向に継ぐ接合。種類としては、「建築知識」のページで確かめてほしい。
■軸方向(じくほうこう)
柱やはりなどのように、長さの長い部材の断面の図心を通るように設定した軸の方向。材軸方向。一般には部材の長手の方向。
■軸方向力(じくほうこうりょく)
軸方向に働く応力。具体的には引張力や圧縮力のこと。軸力や垂直力あるいは軸方向応力ともいう。
■自己サイホン作用
サイホン作用は、サイホンと呼ばれる曲がった管を使って、高いところの水を低いところに流す作用。衛生器具のトラップで、排水する際に自然にこの作用が起きることがあるが、そうすると、トラップ内の封水が吸いだされてしまい、下水道からの悪臭の逆流などの被害が起こる。
■地震層せん断力係数(じしんそうせんだんりょくえいすう)
建築物の地上部分の地震力は、各部分の高さに応じて、それぞれの高さが支える部分に作用する全体の地震力として計算する。具体的には、固定荷重と積載荷重の和に、その高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算する。ある階より上の部分に作用する地震力の合計が、その階の層せん断力である。
■磁針箱(じしんばこ)
平板測量で使う、磁石でできた針を使って方位や方向を確認するための道具。
■地震力
地震動により建築物が受ける慣性力で、主として水平方向に作用する。その大きさは、建物とそれを支える地盤の振動形状に左右され、また、建物の固有周期と地盤の卓越周期が近いと大きくなる。構造計算においては、建築物の地上部分と地下部分の、それぞれの地震力を公式により求めることができる。
■システム天井
天井下地と電気・空調・放送・防災などの設備を一体にしてパネルとした仕上げ材を配列した天井。工事の効率化が図れる。
■止端(したん)
部材の面と溶接部との交わる点のこと。
■湿球温度(しつきゅうおんど)
乾湿球湿度計に使う温度のことで、温度計の球の部分を木綿の袋に入れ、常に湿らせておくようにして計った温度。空気が乾燥していれば、木綿部分からの蒸発量が多く、気化熱を奪われるので、湿球温度は下がる。乾湿球湿度計は、乾球温度計(通常の温度計)の温度と、湿球温度計の温度の組み合わせによって、湿度を計る装置。両者の差が大きいほど、湿度は低い。
■しっくい
左官工事の材料の1つで、消石灰、貝灰、水を主材料に、砂・すさ・のりを混入したもの。硬化が遅く、耐湿性に欠ける。古くからこまい下地の土壁の上に仕上げとして用いられたもので、プラスターが使用されるようになってからは、あまり使われなくなった。内部仕上げ用。
■室内の空気汚染
換気が十分でない室内の空気が汚染されること。気分が悪くなったり、不快感をもよおす。空気汚染の原因として、次のようなことが考えられる。
@在室者の生理現象:呼吸による酸素の減少と炭酸ガスの増加。室温の上昇、発汗などによる室内の上昇、臭気の発生。
A在室者の作業:喫煙、炊事、暖房などによる煙・熱・臭気の発生、酸素の減少と炭酸ガスの増加。作業に伴う塵埃・ガス・熱・臭気の発生。
■支点(してん)
構造物を支える点。建築構造物では基礎の部分が支点に当たる。大別して次の3種類があり、それぞれ反力の数が異なる。
@可動端(ローラー支点):移動端ともいう。支持面に対して直角方向の移動のみ拘束して、平行方向の移動および回転に対しては拘束しない支点。
A回転端(ピン支点):直角方向と平行方向の移動を拘束し、回転に対してのみ自由な支点。固定端(フィックス支点):移動も回転も拘束する支点。
■私道(しどう)
都市計画法によらず、特定行政庁から指定を受けた道。
■自動アーク溶接
溶接ワイヤの送りが自動的にでき、常時操作しなくても連続的に溶接が進行するような装置を用いて行うアーク溶接。
■し尿浄化槽(しにょうじょうかそう)
汚水を浄化し殺菌する設備。下水道法による終末処理場をもつ公共下水道がない場合、各建物ごとに設置しなければならない。汚水のみを処理する単独処理と、汚水と雑排水を処理する合併処理の2方式がある。構造は、腐敗槽、予備ろ過槽、酸化槽、消毒槽からなる。酸化槽に酸素(空気)を送るためのかくはん器を設けたものを曝気式、特にかくはん器のないものを重力式という。
■地盤(じばん)
建築物などを据える基礎となる土地。
@年代による分類:土質基礎工学上重要なのは沖積層と洪積層で、沖積層は一般に軟弱で、重量構造物の支持層としては適当でない。
A土粒子の粒径および観察による分類:大きく岩盤と土に分類され、さらに土の粒子の径の大きな順に、れき、砂、シルト、粘土に分けられる。シルトまたは粘土が固結して岩質状になったものを土丹、砂が固結して岩質状になったものを固結砂と呼ぶ。このほか、関東一円に分布する火山土を関東ロームと呼び、腐食土およびこれが炭化したものを泥土とよぶ。
B力学的性質による分類:砂分を多く含み粘着力が比較的小さい砂質地盤と、粘土分を多く含み内部摩擦角が比較的小さい粘土質地盤に大別することができる。
C物理的性質:比重、単位体積重量、粒土分布、液性・塑性限界、含水比、間隙比、鋭敏比、収縮性などがある。
D力学的性質:土の力学的性質には、1軸圧縮強さ、粘着力、内部摩擦角、圧縮指数、圧密係数、透水係数などがあり、土のせん断強度は内部摩擦角と粘着力によって決まる。また、よくしまった砂質土は内部摩擦角が大きく、硬い粘性土は粘着力の値が大きくなる。地下水以下にあり締固めの十分でない砂質地盤では、液状化現象を起こす危険がある。
■地盤改良工法(じばんかいりょうこうほう)
硬い支持層に基礎を設置できない場合に、現地盤を改良し、支持力を増し、沈下量を減少させ、または透水性を小さくするための工法。
■地盤調査
土の分類、せん断強度、沈下特性(圧縮性)、透水性などを測定項目とする、土の性質を調べるための調査。調査は、土のサンプル試料による室内土質試験と、現場における試験である原位置試験に大別される。
■地盤の許容応力度(じばんのきょようおうりょくど)
地盤の許容応力度は、国土交通大臣の定める方法によって地盤調査を行い、その結果に基づいて定められる。ただし、建築基準法施工令93条によって定められる地盤の許容応力度は、それぞれ同条の表の数値によることができる。
■地盤面(じばんめん)
建築物が周囲の地面と接する平均の高さにおける水平面のこと。地表面の高低差が3m以内の場合は平均値を、3mを超える場合は3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。
■支保工(しほこう)
山止めや型枠工事の際、その工事中の荷重を支えるための仮設的な構造材。山止めの場合、腹起こし、切張り、支柱、火打ちなどで構成され、材料として木製の角材やH形鋼を用いて矢板を内側から補強する。型枠工事の場合は、せき板を支えるバタ材、スラブやはりの荷重を支える支柱、筋かい、水平つなぎ材などのことで、材料として木材、鋼管、C形鋼、L形鋼、角形鋼などをもちいる。
■シャーカッター
鉄筋を切断するための機械。
■遮音(しゃおん)
音を透過させないこと。建築物の場合、次のような遮音対策がある。
@壁体の材料を透過損失の大きいものにする。
A多重壁にするなど構造上の処理をする。
B開口部や壁などの機密性を高める。
■遮音性能(しゃおんせいのう)
長屋や共同住宅の場合、法律により、界壁は遮音性能を有するものとしなくてはならない。また、建築基準法施工令22条により、界壁は、遮音上有害な空隙のない構造とし、小屋裏または天井裏まで達するものでなければならない。
■斜材(しゃざい)
筋かい、方づえ、火打ち材など、地震や風力などの外力に対して強くするために、軸組の中に斜めに入れる材。火打ち材は水平に配する。構造耐力上主要な部分の1つ。
■斜線制限(しゃせんせいげん)
集団規定の適用される地域では、より良好な環境保全のために、建築物の各部分の高さは、前面道路の建築物と反対側の境界線、隣地の境界線、建築物の北側の隣地の境界線からのそれぞれの距離によって制限を受ける。これらが、それぞれ、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限である。
■シャリング
鉄骨工事において、鋼材をせん断する(はさみで切る)こと。せん断する機械として鋼板せん断機、山形せん断機があり、厚さ13mm以下のものの切断に用いられる。
■ジャンカ
型枠を外したコンクリート面に見られる、砂利が固まっているために、セメントペーストが充填されず空隙がある状態。豆板ともいう。
■終日日影(しゅうじつひかげ)
ある季節に1日中建物の影に入って、まったく日照のない部分のこと。1年中日照のない永久日影とは異なる。
■集成材(しゅうせいざい)
10〜30mmほどの厚さの板材を、繊維方向を長さ方向にそろえて接着・加圧し、積層としたもの。構造材として柱に、また、木目を生かした造作材として階段の手すり、踏板等に用いられる。積層材とも呼ばれている。
■集団規定(しゅうだんきてい)
建築基準法の一部により、原則的に、都市計画区域内に限り適用される法律。合理的で機能的な街づくりを進めるために、建築物を集団的にとられ、規制する。具体的には、用途地域規制、接道義務、建蔽率、容積率、高さ、防火等について定められている。
■集中荷重(しゅうちゅうかじゅう)
点に作用する荷重。完全な点ではなくても、部材の長さに比べて非常に小さな幅に作用する荷重は、点に作用する荷重として扱う。
■集中(ホール)型住宅
集合住宅の住戸の平面による分類型で、階段室やエレベーターホールを建物の中央に置き、その周囲に住戸を配置する形式。高密度化が可能であるが、各住戸の居住条件の差異が問題となる。
■主筋(しゅきん)
鉄筋コンクリート構造のコンクリート中に配される鉄筋で、軸方向力や曲げモーメントを負担する鉄筋。長方形のスラブの場合、短辺方向の引張鉄筋になる。主筋の最小間隔は、鉄筋とコンクリートの一体性、コンクリートの施工性を考慮して決められる。
■シュミットハンマー
コンクリートの表面に特定の衝撃を与え、そのはね返りの度合いによってコンクリートの強度を測定する機械。
■主要構造部(しゅようこうぞうぶ)
建築物の構造上重要な部分のことで、壁、柱、床、はり、屋根、階段のこと。ただし、間仕切り壁、間柱、附柱、揚床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段等は除く。
■準工業地域(じゅんこうぎょうちいき)
用途地域の1つで、環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便の増進を図るための地域。この地域には、次のようなものは建てることができない。個室付浴場業に係る公衆浴場等、危険性が大きいかまたは著しく環境を悪化させるおそれのある工場、火薬類・石油類・ガス等の危険物の貯蔵・処理の量が多い施設。
■準住居地域(じゅんじゅうきょちいき)
用途地域の1つで、住居地域の中の、自動車関連施設等と住宅が調和して立地する地域。この地域には、次のようなものは建てることができない。劇場・映画館等、キャバレー・料理店等、個室付浴場業に係る公衆浴場等、原動機を使用する工場で床面積の合計が50平方メートルを超えるもの、危険性が大きいかまたは著しく環境を悪化させるおそれのある工場、火薬類・石油類・ガス等の危険物の貯蔵・処理を行う施設。
■準耐火建築物(じゅんたいかけんちくぶつ)
木造などの構造で、主要構造部を準耐火構造あるいは耐火構造とした建築物、またはkれと同等の防火性能を有する建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の防火設備のあるものをいう。この条件を満たしていれば、防火地域・準防火地域内でも、木造建築物を建築することができる。
■準耐火構造(じゅんたいかこうぞう)
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能)に関して令107条の2で定める技術的基準に低号するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
■準不燃材料(じゅんふねんざいりょう)
不燃性能が10分間である建築材料をいう。具体的には、石こうボード、木毛セメント板、硬質木片セメント板など。
■準防火地域(じゅんぼうかちいき)
都市計画区域内における火災の被害を最小限にとどめるため、建築物に対する構造上の制限が設けられた地域で、都市計画法により防火地域の周辺に指定される地域。次のような建築物は、準防火地域では、建築物の規模によって、耐火建築物または準耐火建築物としなければならない。
■書院造り(しょいんづくり)
室町時代に僧侶の住空間として生まれた建築様式で、付け書院、床、棚などが設けられた建物あるいは部屋。戸によって部屋が分けられるようになり、畳、天井が用いられるようになった。代表的な建築物は、西本願寺書院、二条城書院。
■消化設備(しょうかせつび)
初期消火を目的として設置され、通常、火災発生から20分間の消火活動を受け持つ設備。屋外消火栓、屋内消火栓、連結送水管など他多数ある。消火器や簡易消化用具も含まれる。
■定規取り(じょうぎとり)
鉄骨工事に用いる鋼材を加工する際、あらかじめ、鋼材の切断の箇所、リベットの位置、曲げ位置などを印すこと。
■商業地域(しょうぎょうちいき)
用途地域の1つで、店舗、事務所等の利便の増進を図るための地域。この地域には、次のようなものは立てることができない。作業場の床面積の合計が150平方メートルを超える工場で危険性や環境を悪化させるおそれがやや多いもの、危険性が大きいかまたは著しく環境を悪化させるおそれがある工場、火薬類・石油類・ガス等の危険物の貯蔵・処理の量がやや多い施設または多い施設。
■仕様書(しようしょ)
設計図書の1つで、設計図では表現できない内容を文書で示したもの。次のような事項をその内容とする。
@工事の概要・注意事項
A使用材料の種類・品質・使用方法
B施工の順序・方法、仕上げの程度
C各種の検査・試験など
標準仕様書、共通仕様書、特記仕様書といった種類がある。
■使用水量(しようすいりょう)
建築物で使用される水の1日平均の量。建築物の種別ごとに数値は異なる。高架タンク方式における受水槽の容量を決定する際の基準となる。
■照度(しょうど)
光を受ける面の明るさの程度のことで、ある面が単位面積あたりどれだけの光束を受けているかを表す。単位はルクス。1平方メートル当たり1ルーメンの光束を受けるときの照度が1ルクス。点光源の場合、光源からの距離がn倍になると照度は「1÷nの2乗」となる。照度は部屋の用途によって適正値はさまざまで、JISによりその基準が定められている。実際の照度の計測は、照度計を用いて行う。
■床版(しょうばん)
構造耐力上主要な部分となる床構造のこと。床スラブともいう。また床板とも書く。一般には鉄筋コンクリート構造の床のことで、鉄筋コンクリート構造の床版の強度については、法令に規定がある。
■消防法(しょうぼうほう)
火災を予防・警戒・鎮圧することを目的として制定された法律。火災の予防・警戒に重点が置かれており、建築物との関連が深い。建築物に関連した内容として、建築許可等についての消防長または消防署長の同意、危険物の製造所等の設置の許可、防火管理者、カーテン等の防炎処理、消防用設備等の設置業務などがある。
■照明設備(しょうめいせつび)
用途、位置、形状等を考慮して決められた照明全般のこと。大きく分けて明視照明と環境照明の2つがあり、次のような照明設計の手順に従って最適な照明を決定する。
@照度のレベルの決定
A照明器具の選定
B必要照度を得るための灯数計算
C均一照度を得るための配置計画
■照明方式(しょうめいほうしき)
照明の設置方法による分類。直接照明、間接照明、半間接照明、建築化照明、などの方式がある。
■シルト
砂と粘土の中間の大きさの土。
■真壁作り(しんかべづくり)
土台、柱、胴差し、けた等が化粧材を兼ねて壁の外に現れる和風の壁の構法。
■心材(しんざい)
木材の中心部。色が赤いので赤味ともいう。硬く狂いがない。反対に木材の外周部は辺材という。
■心去材(しんさりざい)
木材の心部を避けて木取りした材。垂木、根太などの断面積の小さい材や造作材に使われる。反対に心を含む材は心持材という。
■神社建築(じんじゃけんちく)
農作物の豊作を願う祭礼のための神殿として発達した建築様式。大社造り、神明造り、住吉造り、春日造り、流れ造り、八幡造りなどの様式がある。
■靭性(じんせい)
構造物や部材の粘り強さのこと。鉄骨は、コンクリートよりも靭性に富む。
■心出し(しんだし)
遣方の水ぬきに、柱や壁の位置を基準線から割り出して印をつけること。
■真づか小屋組(しんづかこやぐみ)
部材をトラスに組んだ洋風小屋組の一形式で、ろくばり、合掌、つりづか、小屋づか、方づかなどで構成される。キングポストトラスともいう。
■寝殿造り(しんでんづくり)
平安時代の後期に発達した住居建築の様式。寝殿を中心に、対屋、渡殿、池、釣殿などが配されている。内部には壁がほとんどなく、几帳や屏風を間仕切りとして用いた。
■振動式くい打ち機(しんどうしきくいうちき)
くいを振動させ、地盤をゆるめて打ち込む機械。騒音が少なく、引き抜きにも用いられる。バイブロハンマーともいう。
■振動特性係数(しんどうとくせいけいすう)
建築物の振動特性を表すものとして、建築物の固有周期および地盤の種類に応じて、国土交通大臣が定める方法により算出した数値。地震層せん断力係数を算出する際に用いる。
■神明造り(しんめいづくり)
飛鳥時代あたりまでに完成した神社建築の様式。素朴で直線的な特徴をもつ。代表的な建築物は伊勢神宮正殿。
■心持材(しんもちざい)
木材の心部を含めて木取りした材。構造材に使われる。逆は心去材という。
■心矢(しんや)
くい打ちに使う鉄製の棒。丸太やぐらを組み、心矢の先をとがらせて、くい頭に置き、200〜600kgのドロップハンマーに心矢を通してウインチで上げ落としさせて打ち込む。10m程度の木ぐいなどの打ち込みに使用する。
■シアコネクター
石材先付けプレキャストコンクリート工法で、石裏面に小穴をあけて取り付け、コンクリートに埋め込んで石材を保持するための金属線など。
■シージングせっこうボード
両面のボード用原紙とせっこうに防水処理を施したもの。
■市街化調整区域
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。原則として、用途地域を定めないものとしている。
■敷居
溝を彫って引違い戸や引戸などの建具を下部で受ける横材。
■色相(ヒュー)
赤、黄、緑などの色の種別を表す。波長が関連している。
■敷地
1の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地。
■色調(トーン)
色の濃淡、明暗や鮮やかさなど色の調子をいい、明度と彩度とを合わせた概念である。
■ジグ(冶具)
部材などの加工・組立ての際、精度の確保や作業効率のため被加工材を固定したり、組立部材の位置設定を行う機材。
■仕口
異なる方向の部材を接合した場合の接合部のこと。部材を同じ方向に継ぐ場合の接合部は、継手という。
■時刻歴応答解析
超高層建築物の構造計算に用いられる、地震動に対する応答を時間の経過に沿って直接求める解析方法。
■地震地域係数(Z)
その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度や地震活動の状況その他地震の性状に応じて、1.0〜0.7の範囲で国土交通大臣が定める数値。
■システム天井
空調の吹出し口や照明器具、防災器具等をあらかじめ組み込んだユニット式の天井。
■しっくい
消石灰に、すさ・のり・砂などを混ぜて水で練ったもの。
■シックハウス症候群
住宅の内装材などに含まれる有害な化学物質などにより、ぜん息や頭痛、目やのどの痛みなどを起こす症状をいう。
■実績率
容器を骨材で満たしたときの、容器の容積に対する骨材の容積を百分率(%)で表した値。
■質問回答書
現場説明書、特記仕様書、設計図、標準仕様書に対する質問書および回答書。
■指定確認検査機関
法第77条の18〜法第77条の21までの規定により、国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者。
■視認性
同じ条件下での色の見えやすいさの度合いをいう。特に、対象と背景との明度の差が大きいほど視認性が高い。
■地盤改良
地盤の「強度の増大」、「沈下の抑制」等に必要な土の性質の改善を目的として、土に、締固め・脱水・固結・置換等の処理を施すこと。
■遮炎性能
通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。
■遮音性能
隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。
■遮音等級
遮音等級には室間の壁の遮音等級と、床衝撃音の遮音等級の2種類ある。室間の壁の遮音等級はD値で表す。D-40、D-35などで示し、D値が大きいほど、室間の遮音性能が高いことを表す。
一方、床衝撃音の遮音等級はL値で表す。L-70、L-60などで示し、L値が大きいほど、床の遮音性能が低いことを表す。
■借地権
建築物の所有を目的とする地上権若しくは賃借権。
■じゃんか
コンクリートの表面が粗骨材等ででこぼこした状態のこと。
■終局強度
材の耐えられる最大の力を終局強度という。構造物の耐えられる最大を終局耐力という。応力により終局曲げ耐力、終局せん断耐力などという。
■終日日影
建築物などにより、直射日光が遮断され、1日中まったく日照を受けない領域をいう。
■就寝分離
夫婦と子供や学齢期に達した男子と女子の寝室を別々に分けて、寝室間のプライバシーを守ること。
■集成材
比較的小断面のひき板(ラミナ)を繊維方向が互いに平行になるように組み合わせて接着剤で積み重ね、1つの部材としたもの。
■住宅型式性能認定
住宅又はその部分で国土交通大臣が定めるものの型式について評価方法基準に従って評価し、当該型式が日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有する旨を認定することをいう。
■住宅性能評価
設計された住宅又は建設された住宅について、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能に関し、評価方法基準に従って評価することをいう。
■住宅性能評価書
国土交通省令・内閣府令で定める標章を付した評価書をいう。
■主任技術者
建設業法に定める建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの。
■主要構造部
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
■照度分布
照明による被照面(机上面や床面など)明るさの分布を示したものであり、等照度線で示される。
■所管行政庁(バリアフリー法)
建築主事を置く市町村又は特別区の区域については当該市町村又は特別区の長をいい、その他の市町村又は特別区の区域については都道府県知事をいう。
■職責
職責(建築士の職責)とは、建築士法第2条の2により、以下の通り定義されている。「建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」