■せい
はりまたははりの断面の高さのこと。丈ともいう。
■脆性破壊(ぜいせいはかい)
脆性とは、もろさのことで、コンクリートのように、破壊に至るまでの変形能力が乏しい性質。つまり、コンクリートなど脆性のものは、破壊するときに、鉄などのように徐々に変形していったあげくに破壊するのではなく、破壊の直前まで外見的には元の形を保つ。せん断破壊は脆性破壊の1つ。なお、脆性の反対は靭性。
■静定構造(せいていこうぞう)
力のつりあい条件のみで、反力や部材応力を求めることができる構造。反力や応力を求めるのに、変形条件を考える必要がある構造を不静定構造という。
■静定トラス
力のつりあい条件のみで、反力や部材応力を求めることができるトラス。
■静定ばり
力のつりあい条件だけで支点の反力や部材応力を求めることができるはり。
■静定ラーメン
力学的に静定なラーメン構造。ラーメン構造は、一般には力のつりあい条件だけでは解けないので不静定構造となるが、単純なものは、力のつりあい条件だけで解ける静定構造になる。
■せき板
型枠の、コンクリートに直接接する部分の板。次のような種類がある。
@合板:表面が平滑で精度がよく、耐久性があり、補修しやすいことから広く用いられる。日本農林規格の1種と2種があり、通常、2種が用いられる。厚さは通常、12mm。
Aばら板:一般にスギ、マツ、ツガ材で、厚さ16〜20mm。
B鋼製パネル(メタルフォーム):寸法が正確で精度が高く、表面は平滑で強度が大きく、組立・解体も容易で反復使用できる。板厚はJIS規格で決められている。以上のほか、プラスチック、紙、硬質繊維板なども用いられる。
■積載荷重(せきさいかじゅう)
移動がそれほど困難でない人間、家具、調度、物品などの荷重。建築基準法施工令85条によって、建築物の用途の別に数値が定められており、実際はこの数値を用いて構造計算をする。床構造計算用、大ばり・柱・基礎構造計算用、地震力計算用でおのおの数値が異なる。
■積算(せきさん)
設計図書および現場説明によって、各工事に必要な材料、労務費、経費の数量を算出し集計すること。
■積雪荷重(せきせつかじゅう)
屋根に積もる雪により生じる荷重。積雪の単位重量に、その地方における垂直最深積雪量を乗じて計算する。単位重量は一般の地域では積雪量1cmにつき0.2N/平方センチ、多雪区域(垂直最深積雪量が1m以上)では通常3kg/平方メートルを採用する。この他、屋根の傾斜、雪おろしの状況、吹雪の際に生じる片荷重、吹きだまりにおける集中などを考慮する。
■石綿板(せきめんばん)
建物の壁・天井・屋根などに使用されるボードの一種。石綿とセメントを混ぜて作った板。石綿スレート板、フレキシブルボード、石綿けい酸カルシウム板などの種類がある。くぎで打ち付けることも、また接着剤を使用することも可能。石綿は、繊維状の結晶をもった鉱物。不燃性、耐火性、断熱性に優れる。近年発ガン性が判明したため、石綿の吹き付け施工は禁止されている。石綿、アスベストとも呼ばれる。
■施工管理(せこうかんり)
設計図書に指定された品質を達成するため、施工計画に基づいて材料・労働者の手配、施工機械器具・仮設物の段取り、工事実施上必要な指導監督・促進・検査などを的確に行い、合理的・能率的に工事を推進する業務。作業を遅滞なく順調に進めるうえで重要なことで、作業能率と作業成績を左右する。
■節(ふし)
材面に表れた枝の切断面であって、その状態によって生き節、死に節、抜け節、腐れ節、抜けやすい節などに区分される。
・生き節:節の繊維が周囲の材と連絡しているもの。
・死に節:節の繊維が周囲の材と連絡の切れているもの。
・抜け節:節が抜けて穴の状態になったもの。
・腐れ節:節に腐れを伴ったもの。
・抜けやすい節:節の部分に裏面に通る裂けを伴い、抜けやすい状態、又は周囲の材と節の間にすきがあり抜けやすい状態のもの
■設計基準強度(せっけいきじゅんきょうど)
構造計算の際に基準とする、材齢28日(4週)のコンクリートの圧縮強度。長期許容応力度の3倍、短期許容応力度の1.5倍が必要とされる。4週圧縮強度ともいう。
■設計計画(せっけいけいかく)
建築の基本調査かた竣工までの、建築士が携わる一連の業務の総称。次のような手順で進める。基本調査→企画・基本計画→基本設計→実施設計→設計監理→竣工。
■設計図書(せっけいとしょ)
設計者が設計内容をまとめたもので、設計図と仕様書からなる。設計図は建築物、その敷地、または工作物に関する工事用の図面で、一般図(配置図、平面図、立体図、断面図、展開図、詳細図など)、構造図、設備図(電気設備図、空調設備図、給排水設備図など)などからなる。なお、原寸図、施工図などは、設計図書に含まれない。また、建築士は工事が設計図書どおりに実施されていないときには、施工者に注意を与え、従わないときには建築主に報告しなければならない。
■設計図書の変更
他の建築士が設計した設計図書の一部を変更するときには、原則としてその建築士の承諾を得ることが必要。
■石こうプラスター
左官工事の材料で、プラスターの1つ。焼石こうを主成分として、砂、すさ、消石灰、凝結遅延材などを混ぜる。硬化が速く、ひび割れが少ない。
■石こうボード
焼石こうにおがくずや軽量骨材を混ぜ、水で練り合わせて、板状に成型したもの。防火性、遮音性に優れる。建物の床・壁・天井などに用いる。釘かビス、あるいは接着剤で下地に止める。
■絶対湿度(ぜったいしつど)
乾燥した空気1kgに混合している水蒸気量を、重さで表したもの。相対湿度とは異なり、温度が変動しても変化しない。
■絶対高さ制限
低層住宅地域の良好な住環境を保護するために、都市計画で定められた限度(10m・12m)
■切断法(せつだんほう)
トラスの部材応力を求める解法。特定の部材をよぎる切断線でトラスを二分して、切断された部材の応力を仮定し、力のつりあい条件を用いて応力を求める方法。トラスの特定の部材の応力を直接求めたいときに用いる。切断される部材が3本を超えると解くことができない。リッター法ともいう。
■接着系アンカー
あらかじめ窄孔された孔に、接着剤を注入してボルトなどを埋め込み、接着剤入りカプセルを装填のうえ、ボルトを回転・打撃させてから埋め込み、接着剤の硬化により固着する方法。
■節点(せってん)
部材と部材の接合点。剛節点と滑節点に大別できる。
■節点法(せってんほう)
トラスの部材応力を求める解法。節点ごうとにその節点に集まるすべての部材の応力と、その節点に作用する外力との力のつり合いから未知の部材応力を求める方法。
■設備工事(せつびこうじ)
給水・排水・衛生設備、空気調和設備、電気設備、防災設備などの諸設備の工事。
■セパレーター
型枠工事の際に用いる、壁厚、柱幅などの向かい合う2枚のせき板の間隔を一定に保持するための器具。ボルトセパレーターが一般に用いられる。
■セメント
コンクリートの主成分の1つ。種類は下表のとおり。一般に建築物にはポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントが用いられる。どの構造体にどのようなセメントを使用するかは、施工場所、時期、方法、設計基準強度、経済性などを考慮して決定される。
■セメント試験
セメントの性質、性能に関する試験。比重試験、凝結試験、強度試験の3つの試験がある。
■セメントペースト
セメントを水で練ったもの。
■セメントミルク方法
くい地業の工法の1つ。地面にアースオーガーで穴をあけ、くいを建てこんでから、くい周固定液として、セメントミルク(セメントペーストに特定の液を加えるもの)を注入する。
■繊維走向の傾斜(せんいそうこうのけいしゃ)
ねじれた丸太、うらごけの木等を製材した場合に生じるもので、材軸に対して通直でなく斜走している木理をいう。
■繊維板(せんいばん)
天井、壁に用いられる内装材料。植物繊維を原料として圧縮加工して作った板で、軟質(インシュレーションボード)、半硬質(セミハードボード)、硬質(ハードボード)の3種類がある。
■せん断応力度(せんだんおうりょくど)
単位面積当たりのせん断力。N/平方ミリなどの単位で表す。
■せん断座屈(せんだんざくつ)
せん断力より、その直行方向に圧縮力が発生し、座屈が起る現象。鉄骨の梁のウェブ部分の板厚が高さに比べて小さいときなどにみられることがある。
■せん断弾性係数(せんだんだんせいけいすう)
せん断応力度とせん断ひずみ度の比例関係の比例定数で、物質により特有な値をもつ。
■せん断破壊(せんだんはかい)
鋼、コンクリート、木材などにせん断力が加わることによって生じる破壊。設計および施工時の品質管理が十分でないことも原因となりうる。
■せん断補強筋(せんだんほきょうきん)
鉄筋コンクリート構造の帯筋のこと。
■せん断力(せんだんりょく)
1つの材に材軸に直角に作用して、ずれを生じさせようとする力。
■全天空照度(ぜんてんくうしょうど)
周囲に障害のない状態で測った天空光の照度。快晴時より薄曇りのときの方が高くなる。
■全般照度(ぜんぱんしょうど)
一定の空間全体を均一に照明する方法。その反対が局部照明。
■線膨張係数(せんぼうちょうけいすう)
熱膨張率の1つで、ある方向の、単位温度。単位長さ当りの熱による膨張長さの割合。鉄筋とコンクリートの線膨張係数は、ほぼ等しい。
■前面道路(ぜんめんどうろ)
道路斜線制限による建築物の高さの基準となる建築物に接する道路。
■脆性
破壊に至るまでの変形能力が小さくもろい性質のことをさす。急激な破壊となる。
■生物化学的酸素要求量
バクテリアが有機物を分解するのに必要な酸素量であり、「BOD」ともいう。「BOD」は水の汚れ具合の目安となり、この値が大きい程汚れがひどくなる。
■せき板
型枠の一部で、コンクリートに直接接する木、金属、プラスチックなどの板類。
■積載荷重(P)
構造物の床にのる家具や人などの積載物の重量であり、常時作用する荷重。
■施工体制台帳
特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事を監理技術者を置いて施工する(下請代金の総額が一定以上となる)場合に現場に備えておく、自社および全下請負人の施工体制等を記載した書面および添付書類の総体のこと。
■施工要領書
契約図書に定められた品質が確実に実現できるように使用材料の具体的品名や使用機械、具体的な作業手順や作業方法、養生、片付け、安全に関する事項などをわかりやすく説明したもの。
■設計基準強度
部材の耐力などを算定する場合に基準となる材料の強度。
■設計競技方式(コンペティション)
発注者が提示した設計条件にしたがって応募者から提出された具体的な設計案を審査し、設計者を選定する方式である。
■設計住宅性能評価書
設計された住宅に係る住宅性能評価書をいう。
■設計寸法
設計図書に表示された寸法、表示された寸法から計測・計算することのできる寸法及び物差により読みとることのできる寸法をいう。
■設計図書
建築物、工作物に関する工事用の図面及び仕様書である。ただし、現寸図その他これに類するものは除く。
■せっこうボード
せっこうと少量の軽量骨材を混ぜたものを芯として、両面を厚紙で被覆し板状にしたもの。
■設備階
電気や空調機械などの設備関係の諸室を集中させた階。高層ビルでは、機械室が大きくなり、機械室のための設備階を数階おきに設けることがある。
■セメントミルク
水にセメントを加えて混練したもの。埋込み工法の根固め液などに用いる。
■セルラダクト
コンクリートスラブ型枠として使用するデッキプレートの溝を利用して配線を行い、下面から特殊カバープレートを取り付けて配線ダクトにしたものをいう。
■栓
木造の継手・仕口による接合を強固にするために、2つの部材を貫通する孔に打ち込む堅木の部材。
■繊維飽和点
木材の繊維細胞の含水率(木材が含むことのできる水分の割合)の上限のことで約30%である。
■線入り板ガラス
フロート板ガラスの中に、金属線を平行に封入したガラス。
■全館避難安全性能
当該建築物のいずれの火災室で火災が発生した場合においても、当該建築物に存する者のすべてが当該建築物から地上までの避難を終了するまでの間、当該建築物の各居室及び各居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の建築物の部分において、避難上支障がある高さまで煙又はガスが降下しないものであること。
■せん断破壊
部材のせん断力が増大し、変形に伴わず急激に壊れるもろい性質。
■全熱交換器
空気対空気の顕熱と潜熱を同時に交換する熱交換器である。排気と導入外気の間で熱回収する場合によく使われる。全熱とは顕熱と潜熱の両方という意味で、空気のエンタルピーに相当する。
■線膨張係数
温度の変化により、部材がある方向に単位温度で単位長さ当りどれだけ伸縮するかの割合を示す係数。
■専門技術者
元請業種以外の工事を施工する業者の管理者。