■コアシステム
建築物の平面計画において、共用部分(コア。エレベーター、階段室、便所、給湯室、ダクトスペース、配管スペースなど)を集中してまとめる方法。共用部分(コア)を耐力壁で囲むことによって、構造壁として利用できる、合理的な採光が可能である。空間に自在性が生まれ動線が簡潔になる、など利点があるが、避難時の人の動きの集中を考慮して階段の位置」を決める必要がある。
■高架タンク方式
高層建築物の屋上に設置したタンクに地下の受水槽からポンプで給水し、タンクからの落差(水頭圧)で建築物の各所に給水する方法。水道本管の圧力にかかわらず必要圧力が確保できる、断水・停電時でも一定時間給水が可能であるなどの利点がある。短所は、水質汚染が起こりやすい、重量により構造的制約があるなど。圧力タンク方式に比べ経費が安いため、中層(階数4〜5階程度)以上の建物がこの方法を採用している。高置タンクと呼ばれることもある。また、高いところにタンクを置く方式全体を高置タンク方式と呼び、その中のタンクが独立した構造となっているものだけを、高架タンク方式と呼ぶこともある。
■工業専用地域
都市計画法9条に定められた工業の利便の増進を図るための専用地域。この地域に建築できるものは、工場以外は非常に制限される。
■工業地域
都市計画法9条に定められた工業の利便の増進を図るための地域。この地域には、個室つき浴場に係る公衆浴場、ホテル・旅館、キャバレー・料理店、劇場・映画館、学校、病院などは建築できない。
■高強度コンクリート
設計強度が36ニュートンパー平方ミリメートルを超え60ニュートンパー平方ミリメートルまでを適用範囲として高強度コンクリートとしている。近年高層鉄筋コンクリート造建築物に設計基準強度が42ニュートンパー平方ミリメートル以上の高強度コンクリートを適用したものが増えている。
■鋼ぐい(こうぐい)
地盤に建築物を支持させるために用いる鋼製くい。鋼管ぐいとH型ぐいとに大別される。
■鋼材
鉄骨構造に使われる鋼の材料。コンクリートに比べて、軽量である、靭性に富み粘り強く耐震性に優れる、引張強度が大きい、強度のばらつきが小さい、工期が短いといった長所がある。反面、火災に弱く、錆びやすいのが短所。圧縮材の有効細長比や許容応力度については、法令に定めがある。
■鋼材の引張材の有効断面積
鋼材の引張材の引張応力度を求める場合で、部材の接合部にボルト穴などの断面欠損がある場合は、部材の断面積から、ボルト穴などの欠損断面積を除いた断面積を有効断面積とする。
■工作図
鉄骨工事の際に設計図や仕様書に基づいて作成される鉄骨部材の詳細形状、寸法、名称、数量、接合部の詳細、設備、仮設、意匠などの工事とも取合い関係、骨組の全体配置などを内容とした図面。
■工作物
建築基準法上の広義の意味では、人が作った施設すべてのこと。この意味では、建築物も工作物の1つに当たる。狭義の意味では、煙突、擁壁、高架水槽、広告塔、鉄柱類の一定規模以上のものや、ジェットコースターなどの遊戯施設を指す。
■工事請負契約書(こうじうけおいけいやくしょ)
建築主と施工者との間で交わされる契約書類の1つ。工事内容、請負代金の額および支払い方法、着手および完成の時期、引渡しの時期・方法、天候その他の不可抗力による損害の負担などの内容を含む。契約書の様式は、中央建設業審議会や四会連合協会(日本建築学会、日本建築協会、日本建築家協会、全国建設業協会)の定めたものが広く採用されている。
■工事関係者(こうじかんけいしゃ)
建築主(施主)、設計者、工事監理者、施工者のこと。
■工事監理者
その者の責任において、工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認する者。
■工事完了届(こうじかんりょうとどけ)
建築主が建築主事に提出する、工事の完了に関する届け。工事が完了した日から4日以内に文書で提出する。
■工事現場練りコンクリート(こうじげんばねり・・・)
製造設備を工事現場に持ち込み、そこで調合計画に基づき混練し作られるコンクリート。設備の整った工場内で作られるのではないので、材料の取り扱いと貯蔵、計量誤差などに注意する必要がある。
■工事現場の安全確保
工事現場における種々の災害を予防するために、労働安全衛生法および同施工令によって、常時100人以上の労働者を使用する事業所は総括安全衛生管理者を、50人以上の労働者を使用する事業所は安全管理者と衛生管理者をそれぞれ選任することが定められている。
■工事現場の材料管理
工事に必要な材料をあらかじめ適当な時期に発注し、搬入、検収、保管すること。材料の取り扱いにあたっては、それぞれの特性に対して配慮し、安全性、火災の防止、汚染等に注意する。
■工事施工者(こうじせこうしゃ)
建築物、敷地、または工作物に関する工事の請負人、または請負契約によらないで建築物をみずから工事をする者。
■剛心(ごうしん)
構造物の床位置に水平力が作用したときの、床の水平面内における回転中心の位置。剛心と重心が一致しないとねじりが生じる。重心は、断面の図心のこと。
■剛性(ごうせい)
構造物あるいは構造部材が変形に対して示す抵抗の度合い。同じ外力に対しては、剛性が大きいほど変形しにくい。建物の各階の剛性は、なるべく差がないようにしないと、地震の際に、剛性が小さい階に変形・損傷が集中しやすい。鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造の建築物の方が剛性が大きい。
■合成樹脂エマルションペイント
速乾性、耐アルカリ性に優れた合成樹脂系塗料の1つ。一般の合成樹脂調合ペイントと異なって、モルタルやコンクリートには適するが、鉄部の塗装には適さない。石こうボード、プラスターなどの塗装にも適する。エマルションは、本来水に溶けない合成樹脂、油脂などが乳化剤の働きによって小さな粒になって、水に混じっている状態のもの。
■合成樹脂可とう管(ごうせいじゅしかとうかん)
「可とう」とは、たわめること。可とう管は、可とう継手やたわみ継手、あるいは金属製のものはメタルホースとも呼ばれる。曲げたり、伸び縮みさせたりできる管で、直線の管と管をつなぐ役目をする。合成樹脂製のものは、コンクリートの中に埋め込むことができるが、荷重をかけることはできない。
■剛性率(ごうせいりつ)
その建物の揺れにくさの尺度の1つ。この数値が大きいほど揺れにくい。剛性率も、建物の各階でなるべく差がないようにしないと、地震の際に、剛性率が小さい階に被害が生じやすい。地震荷重にたいして求められる層間変形角の逆数を各階の層間変形角の逆数の平均値で除して求める。せん断弾性係数と同じ。
■剛接合(ごうせつごう)
部材と部材の接合部をお互いに角度が変わらないような状態で接合した形式のこと。部材を剛接合によって組み合わせた構造をラーメン構造という。
■剛節点(ごうせってん)
部材相互の角度が変わらないように、材と材が剛に取り付けられている節点。
■構造強度
自重、積載荷重、積雪、風圧、水圧、土圧ならびに地震その他の振動および衝撃に対して構造耐力上安全な建築物の強度。
■構造計算
荷重や外力によって、構造耐力上主要な部分に生じる応力を計算し、長期と短期の各応力度が許容応力を超えないことを確認するための計算。次の建築物は、設計図書の作成の際、構造計算によって、その安全性を確認しなくてはならない。
@木造の建築物:階数が3以上のもの、または延べ面積が500平方メートル、高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えるもの。
A木造以外の建築物:階数が2以上のもの、または延べ面積が200平方メートルを超えるもの。
■高層住宅
エレベーターが必要な6階以上の共同住宅の形式。建設費、設備費は高額だが、住居密度を高めることができるため、都市の再開発の場合などに多く採用される。
■構造用鋼材(こうぞうようこうざい)
鉄骨工事に用いる鋼材。各種の形鋼、鋼板、鋼管などのこと。品質、形状、寸法はJISに合格したものを用いる。
■光束(こうそく)
光源から発する光の量。単位時間に単位面積を通過する量で量る。単位はルーメン(lm)
■工程管理
着工後、工程表と実際の工事進行状態とを記録・対照し、施工速度を加減するなど、工程計画の確実さを図ること。
■工程計画
指定された工期で工事を完了するための時間的計画。
■工程表
工事進行の手順や進行状況を示す図表。工程表には、横線工程表、ネットワーク工程表、グラフ式工程表、列記式工程表のなどの種類がある。
■光度(こうど)
光源が発する光の強さのこと。単位はカンデラ(cd)。
■高度地区
用途地域における市街地の環境を維持し、土地利用の増進を図るために、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区。
■高度利用地区
用途地域の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と、都市機能の増進を図るために、建築物の容積率の最高・最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を定める地区。
■合板材(ごうはんざい)
複数(奇数)枚の単板を、曲げに強くなるように、繊維の方向が互いに直角になるように配置して、接合したもの。使用目的によって下地合板(壁・天井用)、構造合板(耐力壁・床板用)に大別され、この他、表面に仕上げを施し、壁や建具・家具などに用いられる化粧合板、耐水合板がある。また、耐水性能によって特類および1〜3類に分類され、構造合板としては特類、1類が用いられる。
■降伏(こうふく)
応力が一定値(弾性強度以上)に達すると、応力の増加はわずかになるが、ひずみが急激に増大し始める。これを降伏といい、降伏が始まる時点を降伏点という。
■鋼矢板工法(こうやいたこうほう)
鋼製の矢板を用いて山止めを行う工法。鋼矢板(スチールシートパイル)には多くの種類があり、強度、水密性、耐久性があるので、固い地盤にも確実に打ち込むことができ、また反復使用することができるという利点がある。大規模な工事には鋼矢板、鋼管矢板を用い、小規模な工事には軽量鋼矢板を用いる。フレッシュ時(コンクリート生成後)の材料分離に対する抵抗性を損なうことなく流動性を著しく高めたコンクリートのこと。高い流動性と優れた施工性が確保されるので、振動・締め固めなしに型枠内に充填することが可能。
■合力(ごうりょく)
いくつかの力(ぶんりょく)があるとき、力全体と同一の力をもつ1つの力を求めることを力の合成というが、そのとき合成された力のことを合力という。
■高力ボルト接合
高強度の鋼材で作られたボルト(高力ボルト)を使って、構造耐力上主要な部分に用いられる鋼材の接合方法。母材同士の摩擦力によって力を伝達させる摩擦接合法と、ボルトの軸方向に力を伝達する引張接合法とがある。現在最も多く使われている鋼材の接合方法。高力ボルトの締め付けには、インパクトレンチやトルクレンチを、締め付けの検査には、トルクレンチを用いる。また、締め付けの際には、接触部分のひずみや曲がりを直し、ミルスケールや浮き錆び、油などを除去する。薬品や塗料も摩擦抵抗を弱めるので塗らないようにするなどの注意が必要。
■高力ボルトと普通ボルトの併用
1つの継手に高力ボルトと一般ボルトを併用する場合は、全応力を高力ボルトに負担させる。
■高力ボルトと溶接の併用
鋼材の接合方法で、高力ボルト接合を行った後、溶接を行うことで、応力を両者に分担させる方法。なお、溶接とボルト、あるいは溶接とリベットを併用する場合は、溶接に全応力を負担させる。
■コーキング材
シーリング材の1つで、気密、水密の目的で、サッシや目地などに充填するもの。合成樹脂のものが多い。充填の際にはコーキングガンという道具を使う。
■コールドジョイント
コンクリートに打説を何度かに分けて行う場合に、すでに凝固しかけている部分と新たに打説する部分の接着がうまく行かずにできた継ぎ目のこと。
■木口割れ(こぐちわれ)
原木の造材、搬出または製材後の取り扱いによって生ずる損傷および乾燥などによって生ずる割れ、木口面から材面に及ぶ割れおよび木口面のみに表れる割れをいう。
■ゴシック建築
12〜16世紀のヨーロッパの建築様式。建築技術的には、フライング・バットレス(飛びはり)の採用によって、垂直構築の技術が大きく進んだことが特徴である。全体の外観は、凸凹が多く、華麗で装飾的要素が強く、崇高かつ神秘的な印象を与える。パリ大聖堂(フランス)、ソールズベリ大聖堂(イギリス)、ケルン大聖堂(ドイツ)、ミラノ大聖堂(イタリア)などの教会建築が代表例である。
■固体振動音(こたいしんどうおん)
何らかの振動が固体中を伝わることによって現れる音。音源としては、建物内の人間歩行や跳びはね、配管からの振動、屋外の自動車、鉄道、作業機械の振動などが考えられる。防止するためには、壁体を厚く重くする、壁の表裏を絶縁する、パイプスペースの設置により配管を建物に密着させないなどの措置が必要である。固体音ともいう。
■骨材(こつざい)
モルタルやコンクリートの主成分の1つで、砂、石など。ごみ・土・有機不純物などを含まず、清浄で堅く耐久性があるものがよい。特に鉄筋コンクリートに用いるものは、鉄を錆びさせる塩分を含まないことが必要。適当に大小の粒が混合されているのが理想的である。以下のように分類される。
■骨材の粒度(りゅうど)
骨材は大小の粒が適当に混合されているのが理想的であるが、大小の粒の混合の度合いを、粒度という。
■固定荷重(こていかじゅう)
建築物の各部分の自重。構造体(屋根、床、はり、柱、壁など)の重量に、仕上げ、建具、造作、非構造部材などの重量を加算し、部位ごとに算定する。
■小荷物専用昇降機(こにもつせんようしょうこうき)
物品のみの運搬のための小型の昇降装置(エレベーター)。かごの寸法は、面積1平方メートル以下、高さ1.2m以下で、戸が閉じていないと動作しないようになっている。小規模な倉庫や厨房に使われ、一般にインターホン設備が付属している。
■こまい壁
はしら、間柱に縦横に竹材(こまい竹)をめぐらして下地(こまい下地)とし、プラスターおよびしっくい塗りを施した木造和風建築の壁。こまいは小舞と書く。
■小屋組(こやぐみ)
屋根荷重を支え、下部構造に伝達する骨組み。和風小屋組と洋組小屋組とがある。
■コルバーン工法
溶融したガラスを引き上げ水平に曲げ、横引きにして造る工法。厚さ2〜10mmの板ガラスができる。
■コンクリート
水、セメント、骨材を調合して、練り固めて作る建築・土木材料。圧縮強度が大きい、耐火性がある、自由な造形が可能である、鉄を錆びさせないアルカリ性である、等の特徴を有する。普通コンクリートの比重は2.3.。熱(線)膨張係数は、鋼材のそれとほぼ等しい。ヤング係数はコンクリートの圧縮強度が高いほど大きくなる。使用骨材、製造場所、使用材料、施工条件、要求性能などの別によって多様な種類がある。
■コンクリート試験
コンクリートのワーカビリティや、強度を測定するための試験であるスランプ試験と圧縮強度を調べる圧縮試験のこと。
■コンクリートの打込み
練ったコンクリートを型枠内に流し込むこと。コンクリート工事の最終段階で、十分な計画と準備の下に進めなくてはならない。
■コンクリートの打継ぎ(うちつぎ)
1回の工程で全部のコンクリートを打ち込むことができない場合、継ぎ目を設けて、改めてコンクリートを打ち込むこと。打ち継ぐ箇所・面に注意しながら、必要最小限の回数で行う。
■コンクリートの運搬
工場で製造されたコンクリートはアジテータートラックで現場まで運搬し、現場まで運搬し、現場では、バケット、手押し車、ベルトコンベア、シュート、コンクリートポンプなどを使用して打ち込み場所まで運ぶ。
■コンクリートの強度
コンクリートは圧縮強度にくらべ、他の強度が著しく小さいため、強度という場合、圧縮強度のことをいう。強度、セメントの量に対する水量が少ないほど大きくなり、また、養生温度が高いと強度発現(強度が現れる)が早く、水中養生では強度増進が続く。4週圧縮強度や許容応力度については、施工令に定めがある。
■コンクリートの締固め
コンクリートの打ち込みの際、棒形振動機(バイブレーター)または突き棒でコンクリートを突き固め、均質かつ密実に充填すること。
■コンクリートの補修
打ち込んだコンクリートの不良箇所の補修。コンクリート面に豆板(砂利が固まってセメントペースト<セメントを水で溶いたもの>が充填されず、空隙がある状態、ジャンカともいう)がある場合の富調合(セメントの割合の多い調合)モルタル詰め、はつり、打直しや、上端鉄筋の表面近くに発生しやすいひび割れを、硬化前に木片やタンパー(コンクリート打込面を叩いて仕上げる道具)でたたいてつぶすタイピングなどがある。
■コンクリートブロック
補強コンクリートブロック造に用いる。形状は(基本ブロック)は長さ390mm、高さ190mm、品質はA〜C種まである。(A種が圧縮強度が最も弱い)。また、比重によって軽量ブロックと重量ブロックに分けられる。
■コンクリートポンプ
コンクリート打込みの際、コンクリートを打ち込み場所までポンプの力で圧送する機械。コンクリートを連続的に運搬することができ能率がよい、輸送管の設置が迅速である、圧送するため密実なコンクリートが得られるなどの利点があるが、骨材の分離に注意しなくてはならない。
■コンクリートミキサー
コンクリートを現場で練るための機械。容器自体を回転させる自重式と、内部の羽を回転させるかくはん式とがある。
■コンクリート・モルタル素地(そじ)
塗料の付着をよくするために、コンクリートあるいはモルタルで塗装の下地面を整えること。
■コンシステンシー
フレッシュコンクリート(まだ固まっていないコンクリートやモルタルの流動性(変形に対する抵抗の度合い))の程度。主として水量によって左右される。
■混和剤(こんわざい)
コンクリートの成分として加える材料で、比較的多量に用いる。フライアッシュ、シリカヒューム、膨張材、収縮低減材など。
■混和材料
混和材と混和剤の総称。コンクリートのワーカビリティ、強度、耐久性、水密性などの諸性能を向上させる目的で、コンクリートの成分として添加される材料。
■コア型住宅
台所、便所、浴室、洗面所等の設備スペースを住宅の中心に集約配置して設備コアを形成したものである。
■コア供試体
コンクリートの構造体からコアドリルで抜き取った強度試験体。
■コアシステム
階段やEV等の交通部分や水廻りなどの設備部分を1箇所に集める方式。
■コインシデンス効果
薄い単層壁に壁と平行に近い角度で音波が入射すると、その材料固有の曲げ振動が起こり、共鳴周波数での透過損失が質量則よりも著しく小さくなる。この現象をコインシデンス効果という。同一材質の板状材料では、厚みが増すほど低音域で生じる。
■高圧水洗工法
塗り仕上げ外壁などの改修において、高圧水により物理的な力を加え、劣化の著しい既存塗膜の除去や素地の脆弱部分を除去する工法。
■工事監理者
その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認する者。「工事監理」(建築士法第2条第7項)
■工事施工者
建築物、その敷地若しくは建築基準法第88条第1項から第3項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。
■剛性
変形しにくさのこと。なお、変形しにくい部材ほど、多くの力を負担する。
■光井戸
光庭(ライトコート)ともいい、住戸の奥行きが深い場合でも、通風と採光を得ることができ、低・中層住宅の計画には有効な手法である。
■合成ばり
鉄骨ばりとそれに密着するコンクリート床の一部が一体となって働くように工夫されたはり。
■剛性率
「各階の層間変形角の逆数」を「当該建築物についての各階の層間変形角の逆数の相加平均」で除した値。
■剛節架構
各節点で部材が剛接合されている骨組。ラーメン構造のこと。
■構造計算適合性判定
構造計算の課程や結果の詳細な審査や再検査。
■構造計算適合性判定員
指定構造計算適合性判定機関は、適合性判定を行うときは、構造計算適合性判定員に実施させなければならない。判定員は、建築に関する専門知識・技術を有する者として国交省令の要件を満たす者から選任される。(法第77条の35の7)
■構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、はり、斜材(筋かい)土台等。
■構造特性係数Ds
構造に応じた減衰性及び靭性を考慮した低減係数のこと。木造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造では、0.25〜0.50以上、鉄筋コンクリート造では、0.30〜0.55以上とする。
■光束
単位時間に流れる光の放射エネルギー量を、視感度を基準として測ったものをいう。単位はlm(ルーメン)を用いる。
■後退距離
建築物(地盤面下の部分その他政令(令第130条の12)で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。
■鋼板巻き工法
既存コンクリート柱に、薄鋼板を角形や円形に巻いて、すき間に高流動モルタルを充填する工法。
■降伏点
金属材料が降伏する位置。応力度−ひずみ度曲線において、応力度とひずみ度が比例関係でなくなる点。
■降伏比
鋼材において、降伏点強度を、引張強さ(最大強度)で割ったもの。この値が小さいほど、降伏してから、最大応力度に達するまでの余裕が大きく、塑性変形性能(靭性)が高い。
■構面内・構面外
座屈現象などで、平面上に描かれた構面の部材が、その平面内で変形するのを、「構面内(座屈)」と言い、立体的に飛び出す方向に変形するのを「構面外(座屈)」と言う。
■コージェネレーション
熱併給発電ともいい、一般に、ディーゼルエンジンやガスエンジン、ガスタービンなどの原動機を使用して発電するとともに、各種原動機の排熱を回収して、給湯や冷暖房などに利用するシステムをいう。エネルギーの利用効率が高く、総合効率は70〜80%に達する。最近では、燃料電池も原動機として利用されている。
■コートハウス
隣地や街路に対して壁で接し、中庭を囲んで居室を配置して、中庭から日照、通風などを取り入れる中庭型住宅のことで、都市部における敷地の狭小化に対応した都市型低層住宅である。
■コーポラティブハウス
自ら居住するための住宅を建設しようとする者が組合を結成して、企画・計画から建設・入居・管理まで行う共同組合運営方式の集合住宅である。
■コールドジョイント
前に打ち込んだコンクリートが、硬化した後に打ち重ねることで生ずる不連続面をいう。
■コールドドラフト
冬期に室内に低温の外気が流れ込むか、またはガラスなどの冷壁面で冷やされた冷風が下降し、不快感を与える現象のことをいう。
■小荷物専用昇降機
物を運搬するための昇降機で、かごの水平投影面積が1m2以下で、かつ、天井の高さが1.2m以下のもの。
■コミュニティセンター
住民の交流・文化・スポーツ・レクリエーション活動等を目的とした施設で、規模・施設内容は多様である。
■コモンスペース
居住者が共同で使用する通路や広場、庭などのオープンスペース。
■固有周期
振り子のおもりのように、自然に揺れることを自由振動といい、その時の周期(一往復の揺れにかかる時間)をいう。剛性が大きく、質量が小さくなるほど固有周期は短くなる。
■コレクティブハウス
個々のプライバシーを尊重しつつ、居住者の相互扶助活動を活かして、円滑な日常生活が営めるように、食事室・調理室・託児室・洗濯室などの共用施設を住棟内に設けた共同居住型の集合住宅である。
■転び止め
材が移動しないように、取り付ける材。
■コンクリート圧入工法
新設壁の型枠を組み、コンクリートポンプなどの圧送力を利用して、下部から高流動コンクリートを直接圧入して打設する工法。
■コンストラクション・マネジメント方式
発注者の代行者であるCMr(コンストラクション・マネージャー)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部又は一部を行う方式である。
■コンバージョン
コンバージョンとは、既存建物の機能を更新したり用途を変更して、建物を新たな社会的要請に応えられるストック(資産)として、引き続き活用を図る行為をいう。
■コンパクトシティ
市街地の無秩序な拡大を抑制しながら、都市地域の環境整備に重点を置き、環境的・経済的持続性を高める都市モデルである。
■混用接合
二種類以上の接合法を用いて構成された接合部。