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建築用語・辞書「キ」行

■木表(きおもて)
板目板の材面で、樹心から遠い方の面をいう。反対に樹心に近い方を木裏という。板目板は木表の側にそる。また、木表の方が耐久性に優れているので敷居に使う場合は、木表が上になるようにする。
■危害防止(きがいぼうし)
建築工事の施工者は、工事に伴って生じる様々な危害を防止する義務を負う(建築基準法第90条)。
■気乾状態の見かけの比重(きかんじょうたいのみかけひじゅう)
気乾状態は、木材を自然状態でよく乾かした状態のこと。見かけ比重のこと。木材の気乾状態の見かけ比重は、樹種によって異なる。一般的に、針葉樹で0.3〜0.6、広葉樹で0.5〜1.0。含水率が同じであれば、比重が大きいほど強度も大きくなる。
■木ぐい
くい打ち地業に使う木製のくい。割れや腐れのないアカマツ、カラマツ、エゾマツ、米マツなどの丸太を、くつ金物、キャップなど頭部を補強して用いる。木ぐいは、腐食を防ぐために、その全長が常水面(地盤中、常時地下水が存在する上面)以下になるように打ち込む。
■木ずり下地(きずりしたじ)
左官工事のプラスター塗りやしっくい塗りなどの下地として、厚さ7mm、幅35mm程度のスギ材を、7mm間隔程度の間隔をとって張ったもの。
■既製鉄筋コンクリートぐい(きせいてっきん)
くい打ち地業に使うために、あらかじめ工場で生産されたコンクリートぐい。鉄筋コンクリートぐいと高張力鋼を用いるプレストレストコンクリートぐいがある。
■基礎
建物を土の上に支える基本的構造。建物の構造、規模、形状、地盤の状態などに応じて、その建物に相応しい基礎を選択する。通常、次の3種類に分けられる。
@独立基礎:独立した柱の下に作る基礎。柱にかかる力を単独の基礎で受け、地盤に分布させる。基礎が連続していないので、不同沈下の不安がある。
A布基礎:木造住宅をはじめ、一般的な建築物によく用いられるもので、鉄筋コンクリート製の連続一体化した基礎のこと。2階建ての場合はフーチングを設ける。
Bベタ基礎:地盤が軟弱なところで用いられるもので、建物の下全体に、鉄筋コンクリートの版を設ける。
■基礎の凍結防止
北海道など、冬期に土中の水分が凍って、その部分の土が盛り上がってしまうような所では、基礎の最下部を凍結深度(土中の水分が凍る最大の深さ)以下にした上で、基礎の外側に凍結深度まで防寒措置を施す。
■既存不適格建築物(がいぞんふてきかくけんちくぶつ)
以前は法律的に何ら問題がなかったが、その後の新たな法律には適合しなくなった建築物。既存不適格建築物は、そのままの状態では新たな法律の規制の対象ではないが、増改築や大規模な修繕等、何らかの建築行為を行う際には、建築物全体を新たな法律に適合させなくてはならない。
■北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)
敷地の北側の隣の日照阻害を防ぐために、低層住居専用地域内と中高層住居専用地域内では、建物北側の高さが制限される。これが北側斜線制限である。
■輝度(きど)
光源やその反射面をある方向から見たとき、その方向から見たとき、その方向に出る光の強さ。同じ光源でも、見る方向によって明るさが異なって見えるのは、輝度に差があるから。輝度の差が大きすぎるとものがみえにくく、また目が疲れるが、差が小さすぎるとものの見え方の変化が乏しくなる。
■脚長(きゃくちょう)
継手のルートからすみ肉溶接の止端までの距離。
■吸音(きゅうおん)
投射した音のエネルギーを吸収(他のエネルギーに変換)すること。建築物の吸音の方法は、
@多孔性材料(たこうせいざいりょう)によるもの。
A板振動材料によるもの。
B共鳴作用によるもの。
一般に高音は吸収されやすく、低音は吸収されにくい。なお、投射された音のエネルギーに対する吸収された音のエネルギーの割合を、吸音率という。また、素材の吸音率に素材の表面積を乗じたものを、吸音力という。
■求心器(きゅうしんき)
平板測量に使う道具の1つ。測量する敷地の中心点を求めるのに使う。
■給水管(きゅうすいかん)
水を供給するための配管材料。給水管には、その材質によって、亜鉛めっき鋼管、硬質塩化ビニル管、銅管、鉛管、鋳鉄管、ヒューム管などがある。
■給水方式
水道水を供給する方式。直接給水方式、高架タンク方式、圧力タンク方式、加圧ポンプ方式の4方式がある。
■給湯管(きゅうゆかん)
湯を供給するための配管材料。給湯管には、その材質によって、亜鉛めっき鋼管、銅管、耐熱用プラスチック管などがある。
■給湯設備
洗面所、浴室、台所などに必要な量の温水を適度な温度で供給するための設備。給湯設備の方式は、以下のように大別することができる。
■キュウビクル
変圧器、遮断器、配電盤などの変電設備をコンパクトにユニット(一体)化したもの。
■強化ガラス
普通板ガラスやフロートガラスなどに熱処理を施して、ガラス表面に圧縮応力を加え、強度を高めたガラス。風圧強度、衝撃強度は普通板ガラスの4倍になるが、機械的性質は変わらない。破壊すると粒状になる、安全ガラスの1つである。
■京呂組(きょうろぐみ)
和風小屋組の1つ。小屋ばりを軒げたの上に取り付ける。
■許可申請(きょかしんせい)
法律(建築基準法等)的に禁止されている行為に関して、例外的に禁止の解除を特定行政庁に申請すること。許可申請を行い、その申請が法律の趣旨に反しないか公益上やむをえないと認められた場合、交通上、安全上、防火上、衛生上等の支障がないようにするための条件がつけられて、申請は許可される。なお、重要な許可に当たっては、建築審査会の同意や、聴聞会の開催が必要となる。
■局部座屈(きょくぶざくつ)
部材の断面形を構成している板要素(フランジやウェブなどの部材の板の部分のこと)が、圧縮力を受けて部分的に座屈(横方向への変形)する現象。
■局部照明(きょくぶしょうめい)
一定の空間の中の限定された範囲のみを照明する方法。
■居室(きょしつ)
人間の活動上、継続的に使用される室。具体的には、住居、執務、作業、集会、娯楽などのために継続的に使用する室のこと。例示すると以下のとおりである。
・住宅:居間、寝室、応接室、台所、食堂など
・店舗・事務所:売り場、事務室、客席、調理場、当直室など
居室は、建築物の基本的な要素なので、次のような制限がある。
・居室の天井高、居室の床高、居室の採光、居室の換気、居室の内装制限等々。
■居室の換気
すべての居室には、原則として、床面積の1÷20以上の、換気のための窓その他の開口部を設けなければならない。ただし、一定の技術的基準に従って、換気設備を設けた場合は除かれる。
■居室の採光
住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿、福祉施設等の居室は、自然光による採光のための窓その他の開口部を設けなければならない。建物の用途ごとに、有効採光面積(有効な採光を確保できる開口部の面積)と床面積との割合が定められている。
■居室の天井高(てんじょうだか)
居室の天井の高さは、2.1m以上とする必要がある。ただし、学校の教室で床面積が50平方メートルを超えるものは、3m以上とする必要がある。
■居室の内装制限
耐火建築物以外の住宅の、2階建てであれば1階の、3階建てであれば1、2階の、調理室等の火気使用室の、天井と壁は、不燃材料か準不燃材料を使用する必要がある。
■居室の床高(ゆかだか)
最下階の居室の床が木造の場合、直下の地面からその床の上面までは45cm以上必要である。ただし、床下をコンクリート、たたきなどで覆うなど、防湿上有効な措置を講じた場合には、この制限によらなくてもかまわないことになっている。
■許容応力度(きょようおうりょくど)
構造材料の安全性を確保するための、設計上の限界の応力度。建築物の構造耐力上主要な部分を生じる応力度は、法令で定められた、それぞれの材料の許容応力度を超えてはならない。許容応力度は、その材料の破壊時や降伏時の応力度を、安全を見込んだ安全率で除して求める。短期許容応力度と長期許容応力度の2種類がある。
■ギリシア建築
神殿建築を特徴とする古代ギリシア時代の建築様式。ギリシア神殿は列柱廊を有する石造りの建造物で、列柱廊のオーダーの違いによって趣が異なる。古代ギリシアの都市は、神殿のほかに、アクロポリスと呼ぶ城塞を築き、アゴラと呼ばれる広場やストアと呼ばれる商業や休息のための施設を設けた。
■金属拡張アンカー(きんぞくかくちょう)
あらかじめ窄孔された孔に装着し、打撃または回転締め付けにより、その拡張部が開き、コンクリート孔壁にくい込むことにより固着する方法。
■金属板ぶき
銅板、亜鉛鉄板、軽合金板、各種特殊鋼などの金属板を用いた屋根ぶき。野地板を突き付けて張り、アスファルトフェルトを敷き、その上に平板ぶき、かわら棒ぶき、波板ぶき。
■銀点(フィッシュアイ)
溶着金属の破面に現れる銀白色をした魚の眼状の部分。
■近隣商業地域(きんりんしょうぎょうちいき)
都市計画法8条に規定された用途地域の1つで、近隣の住宅地の住民のための店舗、事務所等の利便の増進を図る地域。
■木表・木裏
板目材の樹皮側を木表、樹心側を木裏という。木表は、辺材となるため収縮が大きく、材は木表に凹に変形する。和室では、敷居や鴨居の木表側に溝を入れる。
■気乾含水率
空気中で木材を乾燥させた場合、その木材が生木の状態から、徐々に乾燥し、水分の割合が一定となった気乾状態での含水率のことで、約15%である。
■基準時(令第137条)
既存不適格建築物について、法第3条第2項の規定により引き続き法令の規定の適用を受けない期間の始期をいう。
■既製コンクリート杭
工場などであらかじめ生産されるコンクリート系の杭。
■輝度
光源または光の反射面や透過面から特定の方向に出射する、単位面積あたりの光度、すなわち単位面積当たり、単位立体角当たりの光束をいう。見る方向によって値が異なる。単位はcd/m2またはlm/m2・srである。
■逆潮流
潮流とは、電気の流れを表す。通常は、電力会社から需要家に向かって送電されるが、逆潮流は、これとは逆に流れで、太陽光発電や燃料電池などの発電設備を有する需要家から、電力会社の電力網(商用電力系統)に向かって送電することをいう。
■吸音率
材料の吸音の度合を示す指標で、ある面に入射した音のエネルギーに対する、反射音以外の音のエネルギーの割合をいう。音の反射率をρとしたとき、吸音率αは、α=1-ρ[%]で表される。
■吸収式冷凍機
冷媒に水を使用し、低圧(真空)下での水の蒸発を持続させるためにLiBr(臭化リチウム)の濃溶液を吸収液として用い、冷媒を吸収・分離して凝縮・蒸発させるサイクル(吸収器→再生器→凝縮器→蒸発器)で冷水などをつくる冷凍機である。
■キュービクル
閉鎖形受変電設備の総称で、鋼製のキャビネットに変圧器、開閉器、遮断器、計測機器などの電気機器が収容されている。屋内外に設置可能である。
■強化合わせガラス
複数枚の強化ガラスを合わせ加工したものである。強化ガラスの強度と、合わせガラスの安全性(破損時のガラス片の飛散防止)を兼ね備えているので、床材や階段踏板にも使用することができる。
■居室
居住、執務、作業、集会、娯楽などの目的で継続的に使用する室をいう。
■許容応力度計算
令82条各号における計算方法。
■切妻屋根
水平棟の両側にのみ流れ勾配のある屋根。
■均斉度
一様性の度合を示す値をいう。ある面上の照度の均斉度は、最小照度/最大照度で表す。作業面の照度は、なるべく均一なことが望まれ、人口照明による場合で1/3、採光(片側採光)による場合で1/10以上がよい。なお、最小照度/平均照度で表す場合もある。

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