■加圧ポンプ方式(かあつ)
水道本管からタンクに給水した水を、圧力タンクとポンプによって、高所に給水する方法。
■街区(がいく)
都市計画法8条に基づき都市計画に定められた、特定街区のような区域。
■開先加工(かいさきかこう)
溶接する鋼材の間に設ける溝のこと。グルーブともいい、片面と両面とがある。その形状は溶接結果に大きな影響を与えるので、決められた開先で施工することが必要である。
■概算見積り(がいさんみつもり)
いまだ設計図書が完成していない段階で、類似の建築物の資料から単位面積当りの単価予測し、それに建築面積をかけて、算出した見積り。
■階数(かいすう)
地階も含めて、一般にいう階の重なっている数のこと。建築物の部分によって階数が異なる場合は、その最大の部分で算定する。中2階のある2階建ての建築物の階数は3になる。ただし、屋上部分や地階の倉庫、機械室などで、その水平投影面積が建築面積の1÷8以下のものは階数に算定しない。階段室型住宅(かいだんしつがたじゅうたく)階段室から直接住戸に入ることのできる形式の住宅。中層の公営住宅に多く採用されている。共用の廊下がなく各戸ごとの開口部を設けるため、プライバシーを損なうことなく通風・採光を確保できる利点がある。
■改築
建築物の構造、規模を大きく変更することなく建て変えること。改築も、建築基準法でいう建築に該当する。
■開発行為の許可(かいはつこういのきょか)
無秩序な開発行為を規制するために、市街化区域、市街化調整区域内で開発行為を行おうとする者に必要とされる、都道府県知事の許可のこと。
■界壁(かいへき)
内部空間を区切る内壁の一種。長屋、連続住宅、共同住宅の各住戸間を区切るものをいう。界壁は、遮音上有効な構造とし、小屋裏または天井裏まで達するものでなければならず、また、耐火構造、準耐火構造または防火構造としなければならない。
■外壁の後退距離(がいへきのこうたいきょり)
建築物の外壁またはこれにカワル柱の面から敷地境界線までの距離。
■ガウジング
金属表面に溝を掘ること。裏はつり、開先の作成、溶接金属の除去などに用いられる。
■欠込み(かきこみ)
部材を削ること。たとえば木造建築物の横架材中央部の下側に耐力上支障のある欠込みをしてはならない。
■欠取り(かきとり)
1つの材を、他の材の幅の分だけ削り取ること。木造建築物の柱の断面の1÷3以上を欠取る場合は、その部分を補強しなければならない。
■確認申請(かくにんしんせい)
建築物の建築などに先立って、その建築物が建築基準法その他の関係法令と照らし合わせて違法でないかどうかを、建築主事等に判断してもらうこと、または確認に必要な書類等を建築主が提出すること。
■確認の表示(かくにんのひょうじ)
建築基準法の確認を受けた建築物の工事の施工者は、工事現場の見易い場所に建築主、設計者、工事施工者、現場管理者の氏名または名称と、確認があった旨を表示しなければならない。
■隔壁(かくへき)
防火上、小屋裏に設ける仕切りのこと。建築面積が300uを超える建築物の小屋組が木造の場合、けた行間隔12m以内ごとに、小屋裏に耐火構造、準耐火構造、または両面を防火構造とした隔壁を設けなければならない。
■花崗岩
火成岩の一種で、御影石ともいう。耐久性に優れるが、耐火性に劣る。
■火災報知設備
火災の発生を知らせる設備であり、次の2つがある。
@自動火災報知器:火災感知器の作動によって自動的に発信し報知する装置。急激な温度変化によって作動する差動式熱感知器、一定の温度になると作動する定温式熱感知器、煙感知器の種類がある。
A非常ベル(手動式火災報知器):火災発見者が手動によって操作し、発信する装置。
■重ね継手(かさねつぎて)
鉄筋や鋼板などの2つの材料の一部を重ねて接続する方法。鉄筋コンクリートでは、鉄筋とコンクリートの付着力を利用する。鉄筋を重ね継手で接続するときには、応力(引張力)の大きなところを避け、また同一箇所に集中しないようにする。重ね長さも決められている。
■可照時間
ある土地の、日の出から日没までの時間。実際に日が照った時間のことをいう、日照時間とは異なる。
■かすがい
構造部材を補強・接合する金物。根太と大引き、梁と小屋組、小屋束と母屋などに使用する。
■春日造り(かすがづくり)
神社建築の一様式。春日大社本殿の様式。
■ガスシールドアーク溶接
ワイヤは自動的にトーチのノズルから供給され、アークを主として炭酸ガスでシールドしながら、作業者の手の操作によって行うアーク溶接。
■仮説建築物
工事を行うために必要となる一時的な建築物。現場事務所、建設資材を収納するための倉庫、工事材料を加工するための下小屋、作業員宿舎などがこれにあたる。また、仮設興行場、博覧会会場、仮説店舗、仮説避難所も含まれる。
■仮説工事
建築物の建設に必要な一時的な施設・設備に関する工事。共通仮説と直接仮説とがあり、共通仮説には、現場事務所、倉庫、宿舎、仮説電灯電力などがあり、直接仮説には、足場、やりかた、養生、工事用機械などがある。
■片持ち梁(かたもちばり)
梁の一方の端は固定されているが、他の端が何にも支えられていない自由な状態のはり。静定ばりの基本のひとつ。
■片廊下型住宅(かたろうかがたじゅうたく)
廊下の片側に各住戸が面している形式の住宅。中高層の集合住宅に多く採用される。各住戸が均等の条件になること、エレベーター、階段の数を少なくできるなどのメリットがある。廊下に面した部屋はプライバシーを守るため開口部を広くとれないので、通風・採光が十分でないという欠点もある。
■型枠(かたわく)
コンクリートを正しく打ち込むための仮設的な構築物。せき板と支保工、付属品として緊結材、セパレーター、スペーサーなどで構成されている。
■滑節点(かっせつてん)
部材が自由に回転できるように取り付けられている接合点。接合点にある部材は自由に角度を変えることができる。ピン接点、ヒンジともいう。
■矩計図(かなばかりず)
建物の高さの基準になる各部分の断面詳細図。建物の各部の断面の納まりを確認する。平面図に基づいて、2階を含めて開口部のある主要な部分を基礎から屋根まで、壁を中心に、内外それぞれ1400mmぐらいずつ描き表す。
■かね折金物(かねおりかなもの)
構造補強金物の1つ。短冊金物を直角に折り曲げた形状で、隅角部の横架材の接合などに使用する。
■カバーリング工法
既存のアスベスト層吹き付けはそのままに残しながら、使用空間に露出しないように板状材料などで完全に覆う。これにより粉じんの飛散・損傷防止を図る工法。
■かぶり厚さ
鉄筋コンクリート部材中の、鉄筋の表面からコンクリートの表面までの寸法を、かぶり厚さまたはかぶりという。耐火性、耐久性、構造耐力、施工性などに影響し、建築基準法施工令によって必要されるかぶり厚さは部位によって異なる。
■壁仕上げ(かべしあげ)
壁の仕上げ方法には、大きく分けて次の3つがある。
@紙張り・布張り:壁紙・ビニールクロス、クロスを接着剤(しょうふのり)を用いて張る。
A化粧合板張り:化粧合板を釘や接着剤を用いて張る。突合せ継ぎ、目地棒入れ、目透かしなどの張り方がある。
B金属板・スレート板:アルミ合金板。ステンレス板・着色鉄板・化粧スレート板などを、パネル張りやモールディングとして用いる。
■壁式構造(かべしきこうぞう)
鉄筋コンクリートの耐力壁(水平・鉛直荷重を負担)で構成される建築構造。柱がないので、普通の住宅や共同住宅などの小空間を有効に構成するのに向いている。耐震性は高いが規模に制約があり、地上階数は5階以下と規定されている。
■壁量(かべりょう)
壁式鉄筋コンクリート構造あるいは補強コンクリートブロック造の耐力壁の実長の総和を、その階の床面積で除した数。定められた数値以上なくてはならない。
■かまば
根切り底にたまる地下水、雨水、外部からの流入水を集水溝で集めて貯めておく貯水槽。ここにたまった水を水中ポンプなどで強制排出する。ピットともいう。
■鴨居(かもい)
引戸、障子、ふすまなどの上部にあてる戸溝じゃくりを施した横木。
■ガラス
建築物にはソーダ石灰ガラスが多用される。成分はソーダ灰、石灰、けい酸。建築用ガラスには次のような種類がある。フロート板ガラス、型板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、合わせガラス等々。
■仮囲い(かりがこい)
工事現場の区画や整備、盗難や危険防止のために、仮に設ける木板あるいは鉄板の塀。木造以外で2階建以上の建築物の工事現場では、1.8m以上の高さの仮囲いを設けることが建築基準法施工令で定められている。
■臥梁(がりょう)
石造、補強コンクリートブロック造等、組積造の各階の壁の上部に設ける水平材。壁が上方から受ける力を全体に分担させるなど構造上重要であるため、法令で設置が義務づけられている。
■かわら
粘土を圧縮成型して乾燥させた屋根材。日本がわらと洋がわらがある。このほかにモルタルをセメントで型詰成型して表面にセメントをふりかけて仕上げたセメントがわらがある。
■かわら棒ぶき
金属板ぶきの屋根のふき方の1つ。屋根の勾配に沿って、一定間隔で垂木のような棒(かわら棒)を配置し、その上に金属板をふく。金属を平らにふく(平ぶき)よりも、雨仕舞がよく、風のあおりにも比較的強い。
■換気(かんき)
室内の汚染された空気を新鮮な空気と入れ換えること。
■換気回数
室内の空気が1時間当たり何回、室外の新鮮な空気と入れ換わったかを表す数値で、換気量の尺度となる。
■換気口(かんきこう)
布基礎を用いる場合、床下の換気をうながし、除湿を図るために設ける穴。
■換気設備
室内空気の浄化をうながす設備で、窓など、自然換気を利用する自然換気設備と、機械を使う機械換気設備とがある。機械換気設備は次の3種類に分類される。
@第一種換気設備:給排気とも機械を使う。
A第二種換気設備:給気は機械を使うが、排気は開口部を使って自然に行う。
B第三種換気設備:給気は開口部を使って自然に行うが、排気は機械を使う
■乾球温度(かんきゅうおんど)
通常の温度計の温度。乾湿球湿度計の湿球温度に対して使われる。
■環境照明(かんきょうしょうめい)
空間の雰囲気づくりを主な目的とした照明。くつろぎのための照明や、展示のためのディスプレイ照明など。屋外照明を指していうこともある。
■換気量(かんきりょう)
室内の空気が室外の空気と入れ換わる量。成人1人当りの必要換気量は、1時間に30立方メートルとされる。
■官公庁手続(かんこうちょうてつづき)
建築工事の実施にあたって、諸法規に基づいて必要な届出書類を、その関係官公庁に提出すること。
■間接加熱方式
給湯方式の1つ。ボイラーなどで直接加熱されて出てきた蒸気や高温水を1次回路の熱源として2次回路の給湯用の水を加熱・給湯する中央給湯方式。1次回路の熱源は暖房、空調用に利用できる。2缶式の暖房給湯ボイラーはこの方式。
■間接照明
光源の光が直接目に届かぬように、天井、壁、床などの反射を利用して照度を得る照明。光が拡散し、まぶしさがなく、やわらかな雰囲気が得られる。
■管理建築士
建築士事務所の業務内容に応じた管理が可能な専任の建築士。たとえば、2級建築士事務所の管理建築士は、2級建築士でなければならない。
■カーテンウオール
構造体の外周に設けられた荷重を負担しない壁のこと。
■外圧係数
建物などの外表面に受ける風荷重を係数で表したもの。風上、風下、勾配などで変化する。
■外気冷房
室内での発熱が多く、中間期及び冬期でも冷房が必要な場合、低温の外気を空調機に導入し、冷凍機を運転することなく、冷房を行う省エネルギーな空調方式である。
■介護療養型医療施設
長期にわたる療養を必要とする患者であって、常時医学的管理が必要な要介護者のための治療機能・療養機能をもった施設。
■介護老人保健施設
病院における入院治療は必要ではないが、機能訓練や看護・介護が必要な要介護高齢者に対して、自立を支援し、家庭への復帰を目指して、医療ケアと日常の生活サービスを合わせて提供する施設。
■階避難安全性能
当該階のいずれの室で火災が発生した場合においても、当該階に存する者のすべてが当該階から直通階段の1までの避難を終了するまでの間、当該階の各居室及び各居室から直通階段に通ずる主たる廊下その他の建築物の部分において、避難上支障がある高さまで煙又はガスが降下しないものであること。
■かさ比重
ロックウールでは、かさ比重測定用切取り器で直径8cmの円筒状に切り取り、乾燥させ、測定された質量を体積で除したもの。
■可視光線
太陽放射などの電磁波の波長のうち、380〜780nmのものをいう。目の網膜を刺激して紫から赤までの異なった色の感覚を与える。
■ガスエンジンヒートポンプ
圧縮式ヒートポンプの駆動源としてガスエンジンを用いたもの。排ガスから熱を回収して高いエネルギー効率が得られる。
■ガスト影響係数
突風やビル風などにより生ずる風圧力の変化を、平均風速の何倍になるかで評価する割増係数。
■型板ガラス
片側表面に型模様を付けたガラス。
■型式適合認定
建築材料又は主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で、政令(令第136条の2の11)で定めるものの型式が、政令(令第136条の2の11)で定める一連の規定に適合するものであることの認定。
■可聴範囲
正常人の耳で聞ける音の周波数と音圧の範囲をいう。通常の音圧レベルでは、概ね20Hz〜20kHzの周波数であり、3,000〜4,000Hz付近が最も敏感で、低音部に対しては鈍い。
■学校ビオロープ
学校敷地内に設けられ、「児童・生徒ならびに学生の環境教育の教材として、学校敷地内に創出された地域の野生の生き物が自立、循環して暮らすことのできる空間」をいう。児童・生徒・学生が地域の自然を学び、ひいてはこれらを自分たちが守り育てることにつながることが期待されている。
■合併処理浄化槽
屎尿と併せて雑排水を処理する浄化槽をいう。
■割裂補強筋
増設壁などのコンクリート・モルタルがアンカー筋またはアンカー本体に沿って割裂(ひび割れ・破壊)することに対して抵抗効果のある補強筋。スパイラル状、フープ状、はしご状のものが用いられる。
■かぶり厚さ
鉄筋コンクリート造等における、鉄筋表面とこれを覆うコンクリート表面までの最短距離。
■壁梁
壁式鉄筋コンクリート造において、壁状に設けられた梁。
■壁率比
壁量充足率の小さい方を、壁量充足率の大きい方で割ったもの。各階において、はり間方向・けた行方向のそれぞれについて、0.5以上であることを確かめる。(ただし、壁量充足率がそれぞれの方向で1を超える場合、または、所定の計算により、偏心率が0.3以下であることを確認した場合は、壁率比の確認は必要ない。)
■框(かまち)
床の間や玄関の部分等に横に入れる化粧材のこと。いろいろな銘木や塗り物の材料を用いる。
■鴨居
引違い戸や引戸を建て込むための部材で、溝を彫って建具の上部に取り付ける横材。
■臥梁(がりょう)
補強コンクリートブロック造等に用いる、壁体の頂部を固めるために、水平にまわす鉄筋コンクリートの梁。
■換気回数
換気の程度を表す指標で、1時間に部屋の容積と同じ空気が何回入れ替わったかを意味する。すなわち、1時間当たりの換気量を室容積で除した値を用い、回/hで表す。
■間接排水
特に衛生上配慮すべき機器に対して他の器具からの排水が逆流したり、その下水ガスが侵入することを防止するために、排水系統を直接接続せず、一旦大気に開放して縁を切り、再度水受け容器または排水器具の中へ排水することをいう。
■完全溶込み溶接
接合する2部材間に開先を設け、部材の全厚にわたって完全な溶け込みを得る溶接。
■監理技術者
建設工事の施工の技術上の監理をつかさどるものと建設業法に規定される技術者。特定建設業者が一定の条件により設置が義務づけられる。
■管理許容差
製品の95%以上が満足するように製作・施工上の目安として定めた目標値。
■管理建築士
建築士事務所の開設者は、建築士事務所ごとに、それぞれ当該建築士事務所を管理する専任の建築士を置かなければならない。この建築士事務所を管理する建築士を「管理建築士」という。管理建築士は、建築士として3年以上の設計等の業務に従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければならない。