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建築用語・辞書「フ」行

■ファサード
建物の正面部分。商店の場合は、その店の業種や業態を的確に表現し、同時に客が店格を的確に判断できるものが望ましい。
■ファンコイルユニット方式
空調方式の1つで、送風機、冷温水コイル、空気ろ過器を内臓した機器を各室に設置し、それに冷温水を供給することによって室内の温度調節を行う方式。設備費、運転費とも安く、各室で自由に温度調節できるため、住宅やアパート、ホテル、事務所などに採用される。
■風圧力
建築物が風を受けることによって生じる圧力。構造設計を行う際には、高さによって定まる速度圧に、建築物の形態によって定める風力係数を乗じて計算する。また、複雑な形状をした建築物や、他への影響を考慮する場合は風洞実験を行うこともある。屋根の軒先、けらば、棟、壁面の端部などには、局部的に大きな風圧力が作用する。
■封水(ふうすい)
トラップの中で常に滞留している一定量の水。悪臭などの建物内部への逆流を防ぐ。
■フーチング
2階建て建築物の布基礎などの安定性を増すために基礎の下に設けるスカート状の部分。基礎のことを総称していう場合もある。
■風力係数(ふうりょくけいすう)
風向きと建築物の形態により定める係数。風圧力の計算で用いられる。
■フェノール樹脂塗料(じゅしとりょう)
合成樹脂系塗料の1つで、フェノール樹脂ワニス・カシュー塗料を主材料とする。耐候性は劣るが、耐水性、耐油性、耐アルカリ性に優れ、主に木部塗装に用いる。
■不快指数(ふかいしすう)
気温と湿度の組み合わせによって、人体に感じる快適さの程度を数字で表したもの。特に蒸し厚さの程度を表す。
■吹付塗(ふきつけぬり)
空気圧搾機、噴霧装置で塗料を吹き付ける塗装方法で、油性エナメル、合成樹脂塗料、ラッカーなどの塗装を用いる。塗装するときは塗装箇所以外の部分を紙などを張って保護し、むらに注意しながら1/3が重なるように吹き付ける。
■輻射冷暖房方式(ふくしゃれいだんぼうほうしき)
空気調和設備の一方式で、床や天井に埋め込んだパイプコイル内に冷水または温水を通して室温を調整する方式。室内を快適に保つことができる。
■複層ガラス(ふくそうがらす)
2枚以上の板ガラスを一定間隔に保ち、その間に完全乾燥空気を封入したガラス。熱貫流率が単板の1/2となる。ペアガラスともいう。
■腐蝕(ふしょく)
さびたり腐ったりすること。金属の腐蝕の種類には、
@大気による腐蝕
A普通水による腐蝕
B酸・塩類による腐蝕
C電流による腐蝕
D高温下による腐蝕などがある。
金属の種類によって耐蝕性が異なる。
■不静定(ふせいてい)
力のつり合い条件だけではなく、部材の変形条件を加えないと、各部の反力や応力が求められないこと。そのような構造を不静定構造という。
■伏せ図(ふせず)
主として、建築物の構造的な仕組みや仕上がり状態を表す平面図。基礎伏せ図、床伏せ図、天井伏せ図、小屋伏せ図、屋根伏せ図などがある。
■付着応力(ふちゃくおうりょく)
鉄筋コンクリート構造で、コンクリートが付着している鉄筋が、コンクリートから抜け出ようとするときに、コンクリートに生じる応力のこと。
■付着性能
コンクリートと鉄筋が付着する力。普通鉄筋と異形鉄筋を比べると異形鉄筋の方が付着性能がよい。鉄筋がコンクリートとよく付着することで、鉄筋コンクリートの特性が発揮される。鉄筋コンクリートにとって、鉄筋の付着性能は重要な要素。
■富調合(ふちょうごう)
モルタルやコンクリートで、セメントの比率の高い調合のことをいう。逆にセメントの比率の低い調合のことを貧調合という。 ■普通鉄筋
断面が円形で、節やリブなどの突起のない鉄筋のこと。丸鋼ともいう。鉄筋の定着の際、普通鉄筋には必ず端部にフックをつけなければならない。
■複筋ばり(ふっきんばり)
鉄筋コンクリート製のはり上端部と下端部に、主筋を配筋すること。鉄筋コンクリート造の構造耐力上主要なはりは、複筋ばりにする。
■フック
鉄筋の端に施す鈎状の折り曲げ加工のこと。コンクリート中で鉄筋の滑り止めになる。鉄筋の定着の際には必ず端部にフックを設けなければならない。フックは、折り曲げ角度によって、180°フック、135°フック、90°フックがあり、それぞれ折り曲げ内法寸法が定められている。一般には、鉄筋の重ね継ぎ手の部分にもフックを設ける。
■不同沈下(ふどうちんか)
建物の地面に接する部分の部分的な強さの違いなどによって起こる、部分によって沈下の程度が異なる沈下のこと。独立基礎の場合に起こりやすい。
■不燃材料(ふねんざいりょう)
不燃性能が20分間である建築材料をいう。具体的には、コンクリート、れんが、瓦、陶磁器タイルなど。
■不燃性能(ふねんせいのう)
建築材料の中で、通常の火災時における加熱により燃焼しない性能を有している材料で、その性能に適合する時間の長さによって、不燃材料や準不燃材料、難燃材料に分けられる。
■部分溶け込み溶接
接合する部材間に部分的に開先加工を施して行う溶接。突合せ溶接に比べて、溶接の溶け込みが部材の厚さの全体に溶け込むことはない。主として、せん断応力のみを負担する。
■踏面(ふみづら)
階段の踏み板の有効奥行き(水平投影による)のこと。一般の住居では、15cm以上と定められている。
■プライマー
塗装の際の素地の下塗りに使う塗料の総称。アスファルトプライマーをプライマーと呼ぶこともある。
■フライング・バットレス
ゴシック建築にみられる飛びはりのこと。
■ブラインド
多数のスラット(羽板)を並べた形の日よけ。日射や視線をさえぎる目的で室内側に設ける。縦型(バーチカルブラインド)と横型(べネシアンブラインド)がある。同様のもので、建築物の外側に設けるものを、ルーバーという。
■プラスター
左官工事の仕上げ材料。無機質の粉に水を加えて練り混ぜて塗り壁として用いる。ドロマイトプラスターや石こうプラスターなどの種類がある。
■プラスター塗り
プラスターを塗る左官工事。主なものに、石こうプラスター塗り、ドロマイトプラスター塗りがあり、それぞれ下塗り、中塗り、上塗りの順に仕上げていく。
■フラッシュオーバー
火災時に天井材や壁材から発生した可燃性のガスが爆発限界濃度に達し、引火、爆発する現象。火災発生から4〜8分ぐらいで起こる。
■フラッシュ戸
木製建具の1つで、格子状に組んだ骨組の両面に合板を張り合わせて、表面を平らにした戸。
■フラッシュバルブ
水洗式便器の洗浄水を流す方式の1つで、給水管に直結して弁を設置し、給水圧力によって一定量の水を噴出した後、自然に停止する構造のもの(洗浄弁)。
■フラット型住宅
集合住宅の住戸の断面による分類型の1つで、各住戸が1つの階でまとめられていて、2以上の階にまたがらない形式。集合住宅で最も多い形式である。
■フランジ
I形断面をもつ鉄骨材の上下の部分。ウェブでつながれている。主として曲げ応力を受け持つ。
■フリーアクセスフロア
パネル上の機器の配置換えや床の配線配管が自由に行えるように、フロアパネルと支持脚により構成された個々のパネルが自由に取り外せるようにしたもの。
■ブリージング
フレッシュコンクリートやまだ固まらないモルタルにおいて、骨材やセメントが沈降して水が浮き上がる現象。
■フレキシビリティ
変化に対して柔軟に対応できる自在性のこと。建築においては、用途や間仕切りの変更や増築に対応できることなどがあげられる。
■フレキシブルシュート
シュートは、打ち込み前のコンクリートを流すための鉄製のとい。フレキシブルシュートは、自由に方向に変えられるシュート。
■プレストレスコンクリート
要求性能によるコンクリートの分類の1つで、PC鋼材によって、計画的にコンクリートにプレストレスを与えた一種の鉄筋コンクリート。
■フレッシュコンクリート
まだ固まっていないやわらかいコンクリート。
■プレファブ工法
規格化された構成材を工場で作成し、現場ではそれを組み立てるだけの工法。利点としては、現場施工の単純化、部材・建物の質の均一化と施工精度の向上、価格の低減、工期の短縮、などがあげられる。一方、細部の納まりや雨じまいに問題が起こりやすいという問題もある。コンクリート系、鉄骨系、木質系がある。正しくはプレファブリケーション工法という。
■フロアダクト工事
コンクリートの床に埋め込んだ金属製の平形の管を使う配線工事。事務所、店舗、コンピュータ室など多くの電源や電話配線を要する場所で行われる。
■フロート板ガラス
溶融金属の上に流して作られる板ガラス。良好な平滑平面を有し、ゆがみがなく透明性、採光性に優れ、大面積の開口部での使用が可能。
■ブローホール
溶接の欠陥の1つで、溶着金属の中にガスによってできた球形状の空洞。溶接面のさび、スラグ、油、水分、ごみなどが原因となる。
■フローリングブロック
約1.8m厚の板を4枚はぎこんで、30cm角程度の正方形のブロックにしたもの。コンクリートスラブや積層合板の上に張り込む。
■不陸(ふろく)
でこぼこしていて、平坦でない状態のこと。
■分布荷重(ぶんぷかじゅう)
部材の長さに沿って連続して作用する荷重。等分布荷重と等変分布荷重とがある。
■ファシリィティマネジメント
建築物や設備、備品などの施設を統合的かつ経済的に管理することで、建築物のライフサイクルに沿って、施設管理組織や必要な人員までも含めた総合的な施設管理の手法をいう。
■ファスナー
PC板、金属パネルなどのカーテンウオール、あるいは張り石などを躯体に取り付ける金物。
■ファンコイルユニット方式
ファン、冷温水コイル、エアフィルターなどで構成された小型ユニットで、熱源から冷水・温水の供給を受けて冷暖房を行う方式である。事務所ビルでは窓の下に設置する場合が多く、病院の病室やホテルなどにも適している。ただし、室内空気が循環するだけなので、一般に、換気の対策として、外気取り入れダクトを併用したものが用いられる。
■フィージビリティスタディ
実行可能性調査を示す。設計に先立つ企画段階で、都市計画等の上位計画との整合性、技術的課題、採算性等、多面的に実現の可能性を検討する作業である。
■封水
配水管からの臭気などの侵入を防ぐために、排水トラップ内部にためられた水。
■風速増加率
ビル風の影響の度合いを表す指標で、高層建築物を建設前の風速に対する建設後の風速の比率をいう。
■フェイスシェル
コンクリートブロックの長さ方向の表裏面の構成部材。
■不活性ガス消化設備
火災箇所を密封し、不活性ガスを放出して窒息作用により消火する設備である。室内電気設備、車庫、危険物などの消火に利用する。不活性ガスの消火剤は、窒素、二酸化炭素、イナートガス(窒素若しくは窒素と他の気体との混合物)などがある。
■複筋梁
鉄筋コンクリート造において、上端・下端共に主筋を配置する梁。
■複層ガラス
2枚のガラスを専用のスペーサーにより一定間隔に保ち、周囲を封着材で密着して内部の空気を常に乾燥状態にした断熱性の高いガラス。
■付着割裂破壊
鉄筋コンクリート部材が大きな力を受ける際、異形鉄筋とコンクリートの間の付着にすべりが生じ、鉄筋の節でコンクリートを押し開こうとする結果、かぶりコンクリートに、主筋に沿って付着割裂ひび割れが多数発生し、かぶりコンクリートが剥落し耐力が低下する脆性的な破壊形式である。柱断面の一辺に多数の鉄筋を配置したり、隅角部に太い鉄筋を配置した場合、この付着割裂破壊が生じやすくなる。
■富調合
砂に対してセメントの容積比が大きいモルタル・コンクリートの調合のこと。強度は大きいが、ひび割れが発生しやすい。
■普通コンクリート
普通骨材を使用し、気乾単位容積質量が2.1t/m3を超え2.5t/m3以下の範囲のコンクリート。
■不同沈下
建物全体が一様に沈下するのではなく、部分的に沈下量が異なる現象。
■不燃性能
通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。
■負の摩擦力
軟弱地盤を貫通する杭において、周囲の地盤が沈下することにより杭外周面に作用する下向きの力。
■ブラウジングコーナー
新聞や雑誌などを気軽に読んだり、休憩のためのスペースを指す。図書館の入口近くや開架室の一部でくつろいだ雰囲気とする。最近では、新聞や雑誌などと同様に、気軽にインターネットが利用できるように、ブラウジングコーナーと隣接してインターネットコーナーを設ける場合も多い。
■プラスチック収縮ひび割れ
コンクリート打設後、急激な乾燥により長さ数cmから数mのひび割れが狭い範囲に無数に出るもの。
■フラッシュ戸
かまち・桟・中骨材によって構成され、小口に化粧縁を取り付け、表面に化粧合板等を張ったもの。
■フラットスラブ構造
はりがなく、スラブを柱で支持する構造である。このうち、キャピタルと呼ばれる柱頭のみを設けるもの、またはキャピタルと支板を設けるものをフラットスラブ構造という。
■プラトゥーン型
学校における運営方式のひとつ。全クラスを時間帯で普通教室群と特別教室群に二分し、何時間かごとに入れ替える運営方式。過去には実例があったが、現在は国内では存在しない。
■フランジ
H形鋼で曲げ応力を受ける上下のプレート。
■プランジャー
水中コンクリートをトレミー管を用いて打設するとき、コンクリートに先立ちトレミー管内に入れるもので、コンクリートと泥水の混合を防止する。
■フリーアクセスフロア
構造床上に取り外し可能な単位床を組み合わせ、電力用・通信用配線、機器を収納し、これらの変更・増設を容易にできる機能を有する床。
■フリーアドレスオフィス
社員個人の専用机は設けず、執務の際、空いている机を自由に使用することを可能とした事務所形式。専有面積の有効利用とコミュニケーションの活性化を図った合理的な執務空間といえる。
■ブリーフィング
発注者及び関係者の要求、目的、制約条件を明らかにし、分析するプロセスである。
■プルキンエ現象
明所見の比視感度が波長555nm(黄緑色)で最大になるのに対し、暗所視ではそれより短い波長(青緑色)に比視感度のピークが移行し、赤色の視感度の低下が大きくなる現象をいう。
■プレカット方式
木造在来軸組工法の部材の接合部などを、工場であらかじめ加工する方式。
■プレストレストコンクリート
PC鋼材によってコンクリートに圧縮力を導入した一種の鉄筋コンクリート。
■フレッシュコンクリート
練り混ぜ後、時間が経過しておらず、まだ固まらない軟らかい状態にあるコンクリートのことである。
■フロア貸し
その階全体(フロア)を単位としてある企業に賃貸する形式。
■ブローホール
溶接金属内部に生じる空洞。
■フローリングボード
ぶな、なら、かば等の広葉樹、針葉樹の一枚の板を基材とした単層フローリング。
■プロセニアムステージ
劇場の舞台形式において、近代演劇発達の過程で生み出されたもので、舞台と客席の間にプロセニアムアーチ(額縁)を設けた形式である。現代の劇場のほとんどはこの型式である。
■粉末消火設備
粉末消火薬剤を噴射ヘッドから放射し、粉末の熱分解によって生ずる二酸化炭素の窒息作用のほか、負触媒作用(化学反応の速度を減少させ、連鎖反応を中断させる作用を利用して燃焼を抑えて消火すること)により消火する設備である。主に油火災や電気火災に適用される。凍結しないので寒冷地においても適している。

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