■ポアソン比
棒の長さ方向に引張力を作用させた時に生じる力の作用方向のひずみ度と、これと直角方向に生じるひずみ度との比。2つのひずみ度の間には、次の式の関係がある。
■方位角(ほういかく)
太陽の方位と真南とが成す水平角度。太陽が真南に来たとき0°となる。
■防火区画(ぼうかくかく)
火災時の延焼を防ぎ、生命、財産を守ることを目的とした建築物内の区画。具体的には、
@一定の床面積ごとの面積区画
A11階以上の高層部分の面積区画
B階段室、昇降機の昇降路、吹き抜け部分などに対する竪穴区画。
C特殊建築物の用途に関する異種用途区画。などに区分される。区画部分は、耐火構造もしくは準耐火構造としなくてはならない。
■防火構造
建築物の外壁または軒裏の構造のうち、防火性能に関して令108条で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗り、しっくい塗りその他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたもののこと。
■防火シャッター
防火区画に設けられた開口部を煙感知器、温度感知器によって自動的に閉鎖する装置。階段室出入り口の扉およびシャッター、吹き抜け部のシャッターなどに用いられる。
■防火設備
法2条九号の二ロや法64条で規定されている「政令で定める防火設備」のことで、「防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備」とされている。ドレンチャーとは、開口部面に沿って放水し、水幕を形成する放水設備であり、それによって火炎を遮り延焼を防止する機能を有するもののこと。
■防火ダンパー
給排気ダクトが防火区画を貫通する箇所や、火気を使用する箇所の排気ダクト口に設けられる装置で、熱および煙感知によってダクトを閉鎖するもの。
■防火地域と準防火地域にわたる場合
建築物が、防火地域または準防火地域の指定のある地域とない地域、あるいは防火地域と準防火地域にまたがる形で建てられる場合は、建築物全体が制限の厳しい方に従う。ただし、建築物を、制限の緩い区域で防火壁で区画した場合は、制限の緩い方の区域にある防火壁外の部分は、緩い方の制限を受ける。
■防火地域
延焼を防止し、火災による被害を最小限にとどめるために、都市計画法によって都市計画区域内に指定される地域。防火地域、準防火地域も、建築物はその規模に応じて耐火建築物または準耐火建築物としなくてはならない。
■防火戸(ぼうかど)
耐火建築物の外壁の開口部で、延焼のあそれのある部分には、防火戸を設けなければならない。また、防火区画の耐火構造もしくは準耐火構造にする必要がある部分の開口部にも、防火戸を設けなければならない。
■防火壁(ぼうかへき)
延焼を防ぐための壁。延べ面積が1000平方メートルを超える建築物には設けなくてはならない。その構造の主な点は以下のとおりである。
@耐火構造で、かつ自立した構造とする。
A木造の場合、無筋コンクリート造や組積造としない。
B外部突出部は50cm以上とする。
C開口部の幅、高さは2.5m以下とし、常時閉鎖式または火災時自動閉鎖式とする。
D配管を行う場合には、防火壁を貫通させた上で防火措置を行う。
■防湿工法(ぼうしつこうほう)
壁体内部の結露を防止するための工事。壁体内部にアスファルト層をつくる方法と、ポリエチレンやアルミニウムなどのフィルムやシート材を張る方法とがある。片面防湿層付き繊維系断熱材を使用するときは、防湿層を室内側にむけて施工する。
■防水
水がしみ込むのを防ぐこと。防火工事には、アスファルト防水、シート防水、防水コンクリートによる防水、シーリング防水などがある。
■防水コンクリート
防水剤を混入したコンクリート。防水剤の種類・分量を誤ると、鉄筋の腐食、コンクリート強度の低下などの欠陥を生じることがある。
■方づえ
柱と横架材が交わる隅に斜めに取り付けて接合部を補強する部材。斜材の1つ。柱に対してあまり剛性の強いものを用いると、柱に曲げ応力が生じ、座屈が生じることがある。
■法の体系
憲法:国の最高法規
法律:国会の議決により制定される
政令:内閣の閣議で制定される命令
省令:各省大臣の発する命令
告示:公の機関が決定した事項を公式に一般に知らせること。
条例:地方公共団体が議会の議決によって制定する
規則:地方公共団体の長が発する命令
憲法から告示までは全国で適用され、条例と規則は地方公共団体の区域内でのみ適用される。
■飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)
ある温度における1立方メートルの空気が含むことができる水蒸気の最大量。露点温度や結露と密接な関係がある。
■ボード張り
石こうボード、繊維板、石綿板、金属板などの各種のボードを床・壁・天井などの面に施すこと。
■ボーリング
掘削用機械を用いて地中に穴をあけ、所要の深さの土を取り出して土の種類や地盤の構成を調べる方法。あわせて地下水位の測定や標準貫入試験なども行う。掘削の方法により種類がある。
@ロータリー式(回転式):ロッドの先端にコアチューブ、ビット(きり)を取り付け、高速回転させながらロッドを地中に押し込んで掘り進めていく方法。一般に採用されている方法で、軟らかい地層から硬い地盤まで掘削できる。土質試験の試料とはならない。
Aパーカッション式(衝撃式):ロッドの先端にビットを取り付け、動力または人力で繰り返し落下させ、その衝撃で各地層を粉砕しながら掘削していく方法。硬質地盤には適しているが、地下の実情は判断しにくい。
Bウオッシュ式(水洗式):ポンプで圧送した水の圧力を利用しながら、穴の先端の土をピットで突き崩して掘削する方法。泥土や粘土などの30cmぐらいまでのボーリングに採用される。
Cオーガー式:ロッドの先端にらせん状の工具(オーガー)を取り付け、人力または動力で回転させて、もみ込んで掘削する方法。
■補強コンクリートブロック造
鉄筋コンクリートの布基礎の上に、鉄筋で補強しながらコンクリートブロックを積み重ねていく構造のこと。
■細長比(ほそながひ)
部材の座屈強度を表す数値。部材の断面2次半径に対する座屈長さの比。細長比が大きいほど座屈が起こりやすい。座屈荷重は細長比に反比例する。
■保有水平耐力(ほゆうすいへいたいりょく)
建物の構造計算の際に、耐震性の点で問題となる数値。建築物が大きな地震に遭って、崩壊するという段階で、建築物のある階の柱や壁に生じている軸方向力とせん断力の水平成分の総和のことを、その階の保有水平耐力という。また、建物が崩壊するまでに耐えるべき地震時のせん断力を必要保有水平耐力という。
■ボルト接合
普通ボルトを用いた鋼材の接合方法。建築基準法施行令67条によって使用できる範囲が制限されており、
・振動、衝撃、繰り返し応力を受ける接合部。
・軒高9mを超える建物やスパン13mを超える建物などの構造耐力上主要な部分には用いることができない。
次のような規定もある。
@ボルト孔の径は、通常、ボルト直径よりも1mm以上大きくすることができない。
Aボルト相互の中心距離(ピッチ)は、その径の2.5倍以上とする。
Bナットが緩まないように、二重ナット、ばね座金、ロックナットを用いたり、ナット部分を溶接する。
■ボルト接合と溶接の併用
ボルト接合と溶接を併用する場合は、すべての応力を溶接で負担させる。
■ポルトランドセメント
水硬性セメントのなかの単味セメント。一般に用いられるセメントで、生産量は全セメントの90%以上を占める。普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩の種類がある。粘土と石灰岩が主原料。
■防煙壁
間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたものをいう。
■防火性能
建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。(法第2条第八号)
■防火設備
防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備。
■防火ダンパー
火災時に火がダクト内に進入した時に、ヒューズの溶解により自動的に閉鎖する装置。
■防護だな
建設工事の現場から落下物が外部に落下し通行人など第三者に対する危害を防止するために、足場の外側面にはね出して設ける落下物防止設備。
■ホームベース
学校の運営方式における、教科教室型のクラスや生徒の生活拠点となるスペースである。学活等を行うことはできるが、授業は行わない。教室移動の際に立ち寄りやすい位置に設ける。
■ホールダウン金物
木質構造における接合具の一つ。柱(縦枠)と基礎や土台、または管柱(縦枠)相互の緊結に用いる。
■補色
ある割合で混ぜると光では白色光に、絵の具では灰色になる関係にある二つの色をいう。マンセル色相環では、相対する色が補色となる。
■ポストテンション方式
コンクリートのプレストレスを与える方法の一つ。シース内にPC鋼材を配置してコンクリートを打設し、コンクリート硬化後にPC鋼材を緊張し、定着具を用いて材端部に定着することにより引張応力を導入する方法。
■保有水平耐力
材料強度によって計算した各階の水平力に対する耐力。
■ホルムアルデヒド
石油化学製品を用いた建材や塗料、接着材から発生する刺激臭のある無色の気体である。シックハウス症候群の原因とされており、室内のホルムアルデヒド濃度は、空気1m3につき0.1mg以下(0.08ppm以下)と定められている。気温が上昇すると建材などからの揮発量が増加する。
■ホワイトキューブ
博物館や美術館において、展示作品を阻害するような余計な装飾や色を極力排除して、天井、床、壁を白くし、光天井によって作品のみが浮かび上がるようにした展示空間のこと。
■ボンドブレーカー
シーリング材の三面接着を防止するために目地底に張る材料。一般にはポリエチレンなどの粘着テープを用いる。